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» 2007年09月26日 09時00分 UPDATE

CRMで案件管理:コミュニケーションのロスをつぶすだけ――利益向上の秘密 (1/2)

小規模企業が成長していくには、厳正な業務管理がどうしても必要になってくる。コミュニケーションのロスを減らし、スピードと正確さを両立させるには――。

[アイティセレクト]

効果測定

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導入前の課題

従業員への案件の割り当てに無駄があったため、割り当てミスや漏れがあり、こなせる案件数にも限界があった。グループウェアでは実現できない顧客情報・商談情報と全従業員のスケジュールを関連づけた管理を可能にして、効率的に現場を運営したかった。


導入後の効果

携帯電話と連動した従業員のスケジュール管理により、迅速かつ効率的な案件の割り当てが可能になり、受注数が大幅に増加した。顧客および商談の情報、売上予測の精度が向上したことで、銀行からの融資やベンチャーキャピタルからの投資を受けることができた。


会社の成長とともに運用も進化する

 流体計画は京都を拠点に幅広い建築サービスを展開する建築会社だ。売り上げの多くを占めるのは一般的な建築工事や店舗の改装だが、水まわりの修繕などの簡単な工事も積極的に受注している。

 同社が抱える案件数は年間約1000件に達しており、従業員数に比べると圧倒的に多い。そのため従来のやり方では顧客の管理で難しい部分があり、さまざまな面で無駄が生じていた。

 そこで2006年1月にオンデマンドCRM「Salesforce」を導入し、業務の効率化と案件管理に活用。導入後、わずか1年半で極めて高精度の予実管理を実現したことにより、金融機関からの融資やベンチャーキャピタルからの投資を受け、有限会社から株式会社へと成長することにつながったという。

 案件の数が増えるにつれて支障が生じていたのは従業員への仕事の割り当てだ。同社では常に4.5件の現場が同時並行で進んでいるが、以前は依頼があるたびに各現場に電話でスケジュールや場所を確認し、従業員に緊急の案件を割り当てていた。

 ただ、それでは迅速な対応ができず、顧客を待たせたり、漏れが生じることもある。そこでグループウェアを導入して、従業員のスケジュールを把握。電話確認せずに案件を割り当てられる体制を整えることにした。

グループウェアだけのオペレーションに限界

 ところが、単純なスケジュール管理だけでは、効率的な案件の割り当てがなかなか実現できなかった。例えばリピーターの案件の場合は、その現場を過去に担当した従業員に割り当てた方が話は早いが、グループウェア上では過去の活動履歴が分からない。そうした無駄を省くためには、顧客情報や案件の進捗情報をスケジュールに結びつける必要があった。

 そこで同社では、05年夏ごろからCRMツールの導入を検討。いくつかのツールを比較検討した結果、「Salesforce」の導入を決めた。代表取締役の山田英樹氏は、選定の理由を次のように明かす。

 「セールスフォース・ドットコムのホームページからデモ版を使い始めたら、営業の方から電話があり、こちらから要望をお話したらすぐに担当営業となる方が来て説明してくれました。このスピードを生む仕組みこそ、うちが求めていたもの。効率的なリード管理の実例を見せてもらったような気がして、すぐに導入を決めました」

ryutai_president.jpg 流体計画 代表取締役 山田英樹氏

 導入後は仕事の割り当てが大幅に効率化された。仕事の依頼は「Salesforce」に登録し、携帯電話のメールと連動させて全従業員に情報を通知。社長はスケジュールや活動履歴を見て仕事を割り当て、各従業員に連絡。複雑な事情のある現場も、すでに情報共有ができているので、円滑に指示が出せるようになった。その結果、無駄のないスケジュールが組め、1日にこなせる案件数も増えたとか。

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