ニュース
» 2007年10月30日 07時00分 公開

SAPPHIRE '07 Miyazakiレポート:「イノベーションをもっと簡単に」とSAPのカガーマンCEO (1/2)

「SAPPHIRE '07 Miyazaki」が10月29日、宮崎のシーガイアで開幕し、お昼過ぎに始まった基調講演には、SAPのカガーマンCEOと「オンリーワン経営」で知られるシャープの町田勝彦会長が登場した。

[浅井英二,ITmedia]

 「多様なイノベーションをもっと簡単に」── エンタープライズアプリケーションの雄、SAPを率いるヘニング・カガーマン会長兼CEOは、同社が提唱する「Business Process Platform」(BPP:事業の基盤となるソフトウェア)と、それをいち早く実現している「SAP ERP 6.0」を売り込んだ。

物理学者で数学者でもあるカガーマン氏。'82年から'92年まで大学で物理とコンピュータサイエンスの教鞭を執ったこともある

 SAPのユーザーカンファレンス、「SAPPHIRE '07 Miyazaki」が10月29日、宮崎のシーガイアで開幕し、お昼過ぎに始まった基調講演には、SAPのカガーマンCEOとシャープの町田勝彦会長が登場した。

 カガーマンCEOは基調講演のテーマとして、今年のSAPPHIREカンファレンスのテーマでもある「Business at the speed of change」(顧客のビジネスのスピード感でイノベーションを実現)を取り上げた。

 「企業を取り巻く環境は大きく変化しているが、中でも“消費者パワーの増大”と“変化の加速”が2つの大きな潮流であり、企業は対処を迫られている」とカガーマン氏。

 消費者のパワーが増大するのに伴い、消費者の求めるものが、単なる製品からソリューション、そして“体験”へと変化している。もはや1社で顧客が求める体験を提供することは難しく、社員、サプライヤー、顧客、およびパートナーらからなる「Business Network」を最適化し、共同でイノベーションを実現していくことが欠かせなくなる、とカガーマン氏は指摘する。

 「Business Networkを変化に対応させていくことが、競争優位の源泉となる」(カガーマン氏)

安定とイノベーションの両立

 SAPは2003年、新しい統合のパラダイムとして、SOA(サービス指向アーキテクチャー)をエンタープライズレベルに引き上げるエンタープライズSOAを発表し、翌2004年には、それを実現するSAP NetWeaverを市場に投入した。この2007年には、SAP ERP 6.0だけでなく、PLM、SCM、SRM、およびCRMといったすべてのSAP Business Suiteが、エンタープライズSOA対応となって出そろう。

 今さら言うまでもないが、企業を取り巻く環境の変化はますます加速している。「4分ごとに新製品が生まれ、16分ごとに合併・買収が起こっている」とカガーマン氏。もはや、基幹業務システムのアップグレードに伴うビジネスの中断は許されない。

 ひと足先にNetWeaverを核としてBPPを実現しているSAP ERP 6.0では、アップグレードは機能強化パッケージとして小刻みに提供され、個々の新機能を実装するかどうかはユーザーの選択に任されているが、2008年からはSAP Business Suite全体に対して機能強化パッケージが提供されるようになる。安定したコア上でSAP Business Suiteの継続的なイノベーションが可能となるわけだ。

 もちろん、BPPでは、SAPのエンタープライズサービスや非SAPのアプリケーションの機能を組み合わせて、新しいコンポジットアプリケーションを開発することによって、さらなるイノベーションも促進できる。また、NetWeaver 7.1では、BPM機能も搭載され、モデリングによる「見える化」も実現できる。

 SAPのユーザー会であるJSUG(Japan SAP Users' Group)の調査によれば、向こう2年以内にSAP ERP 6.0への移行を計画しているユーザーは62%に達しているという。基調講演後のプレスQ&Aでカガーマン氏は、「予想を上回る素晴らしい数字だ」と満足げに話した。

2008年以降は、SAP Business Suite全体に対して機能強化パッケージが提供され、安定したコアをベースに継続的なイノベーションが実現される
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆