新機能が目白押しの「Fusion Middleware 11g」でリーダーの座を狙うOracleOracle OpenWorld 2007 San Francisco Report(1/2 ページ)

米国時間11月13日、「Oracle OpenWorld San Francisco 2007」は2日目を迎え、データベースと並んで存在感を増しつつある「Oracle Fusion Middleware 11g」をプレビューする基調講演が行われた。

» 2007年11月15日 00時30分 公開
[谷川耕一,ITmedia]

 米国時間11月13日、カリフォルニア州サンフランシスコで開催されている「Oracle OpenWorld San Francisco 2007」は2日目を迎え、データベースと並んで存在感を増しつつある「Oracle Fusion Middleware 11g」をプレビューする基調講演が行われた。

 Oracle Fusion Middleware 11gは、既にβ4が配布され、約170社がテストに参加し、フィードバックを受けている。

 「6年前、Oracleはエンタープライズアプリケーションが、抜本的な変革に直面することを予測し、そこからFusion Middlewareという新たな製品群が生まれた。Fusion Middlewareの顧客は既に1万7000社に達した」と話すのは、Oracle Fusion Middlewareを担当するトーマス・クリアン上級副社長。彼は、その最新バージョンとなる11gの革新的な機能をプレビューした。

一貫してOracleのミドルウェアを統括してきたクリアン上級副社長

 ステージでは、SOA(サービス指向アーキテクチャー)、グリッドコンピューティング、そして新しい潮流である「Enterprise2.0」に関連するものなど、以下のような多数の新機能が紹介されている。

  • Oracle SOA Suite、Oracle JDeveloper、およびApplication Development Framework
  • Oracle Application Server
  • Oracle Business Intelligence Suite、およびEnterprise Performance Management System
  • Oracle Enterprise Content Management Suite
  • Oracle WebCenter Suite
  • Oracle Identity Management Suite
  • Oracle Fusion Middleware向けのOracle Enterprise Manager

買収製品で機能の幅を広げるFusion Middleware

 Fusion Middlewareには、買収によって獲得した多くの製品も統合されており、その機能は多岐にわたる。Hyperionの企業業績管理のようにアプリケーションに近いところも含まれ、クリアン氏の基調講演にも、単なる技術ではなく、ビジネスシナリオが組み込まれ、それに沿った説明も入りつつある。基調講演の1時間程度の枠では説明することが既に困難な製品規模といえるだろう。そのごく一部を紹介していこう。

 SOA関連では、JDeveloerを利用し、GUIベースで容易にアプリケーションの連携を図り、WebCenterのポータル画面に統合していくデモが行われた。面白いところでは、SAPのDuetのようにMicrosoftのOffice製品と連携を図り、コーディングなしでアプリケーションのフロントエンドとして取り込む機能も紹介された。

 また、3月に買収したHyperionの多次元データベースであるEssbaseが、次期Oracle Fusion Middlewareに統合され、顧客が活用できることも示された。Essbaseの参照系の分析機能だけでなく、Essbase上で計算し、リアルタイムに分析できる機能もBIダッシュボードに容易に統合できるという。Essbaseの機能の追加もあって、BI分野ではレポーティング機能がかなり強化されている。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆