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» 2007年11月20日 09時30分 UPDATE

特選事例:NPO法人の協力者情報管理訪問先のカテゴリーの壁を難なく壊せるツールを活用 (1/2)

ボランティアによる企業訪問を効率の良い仕組みにするのは意外と難しい。CRMツールで情報の可視化から始めることで、見えない壁を壊せる可能性が生まれる。

[ITmedia]

導入前の課題

寄付者や会員からの入金履歴はアクセスで管理していたため、入力担当以外のスタッフがその情報を迅速に確認できなかった。募金箱やパネルの貸し出し、講演活動などの情報が個別に管理されていたために、情報のファイリングが非効率に行われるケースもあった。


導入後の効果

事務局やボランティアのスタッフが迅速に入金履歴やその他の情報を把握できる環境が整い、迅速で効果的に業務を行えるようになった。


飛躍続けるNPO法人

 国連WFP協会は、飢餓と貧困の撲滅を使命とするWFP国連世界食糧計画を支援する認定NPO法人だ。日本国内において世界の飢餓問題や食糧支援活動に関する情報発信を行い、多くの人が参加できる支援の方法と機会を提供し、日本社会からの物心両面の貢献が格段に高まることを目的として活動している。

 同協会の重要な活動の1つが募金活動だ。かつて募金を主に支えていたのは個人だった。しかし、2005年を境に企業・団体からの寄付が増加。その背景にあるのが、伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎氏が会長に就任して発足させた「国連WFP協会評議会」だ。これは企業・団体に新しい形のパートナーシップを提案する会員組織で、企業の社会的責任(CSR)や国際貢献を重視する社会的動向を背景に評議員数が増加。2007年8月末現在で約350の企業・団体が名を連ね、個人ドナーとともに活動を支えている。同協会は増加する評議員や賛助会員に対応するため、オンデマンドCRMサービス「Salesforce」を導入。寄付に対する効率的かつ的確な募金業務を実現している。

wfpzu.jpg システム構成図

リタイアした経験豊富な人材がボランティアに

 寄付者から同協会への募金は郵便局やクレジットカード、銀行振込などで行われる。金融機関やカード会社から入金記録が送られてくると、募金入力の担当者は、各種入金情報を確認後、Salesforceに入力する。この情報をもとに各企業・団体を担当するエキスペリエンツ・ボランティア(以下、EV)は企業・団体にお礼の連絡をしたり、また自分の担当企業・団体の入金情報を知る手段として使っている。EVとは、会社や組織で培われた長年のキャリアを活かして、協会と企業・団体との橋渡しをするシニアボランティアのこと。さまざまな企業・団体へ情報提供を行い、パートナーシップを提案するのが主な活動内容だ。

 従来、寄付者情報はAccessで管理していた。ただ、1台のPCで管理すると、担当者が寄付者からの入金履歴を確認したい場合も自分のPCでは確認できず、入力担当者に問い合わせなくてはいけない。寄付者からの支援をより強固なものにするためには、事務局内の情報共有を進め、募金担当者も入金履歴を適切に把握できる仕組みが必要だった。

 EVは東京・大阪・名古屋で活動している。横浜にある事務局に足を運ぶことは少ないため、在宅のまま寄付情報を把握できる仕組みがどうしても必要だったのだ。

ishikawa.jpg 特定非営利活動法人 国際連合世界食糧計画 WFP協会 企画・財務担当 石川莉紗子氏

 そこで同協会では05年初めから、情報共有のシステムの導入を検討。その過程で出会ったのが、オンデマンドCRMサービスの「Salesforce」だった。実はセールスフォース・ドットコムでは、社会貢献活動の一環として、基準を満たす非営利団体に対して製品を無償で提供している。ただ、企画・財務担当の石川莉紗子氏は、「決して無償だから選んだわけではない」と強調する。

 「システムのための予算は組んでいたので、たとえ無償でも、使い勝手が悪ければ導入するつもりはありませんでした。その点、『Salesforce』は有料でも利用したい機能と安全性を兼ね備えていました。特に重要だったのはセキュリティ面。データをどのように保全できるかについては慎重に検討しました」

 検討の結果、05年8月から試用版の利用を開始。10月にはEV制度スタートに合わせて試験運用に踏み切った。

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