【第3回】世にもおかしな日本のIT組織(3)〜IT部門から消えた次世代三方一両得のIT論 IT部門がもう一度「力」をつける時(3/3 ページ)

» 2007年12月12日 09時00分 公開
[岡政次,ITmedia]
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 今や30代後半の中堅社員が若手といわれる。これからもIT部門の経費削減の努力は粛々と続けられていくのだろうが、もはや、人を育て、技術を伝承し、ノウハウを積み上げていく体制を復活させるのは至難の業だろう。

 振り返ると、わたし自身にも3人の師匠がいた。「物事を正面から見ずに、側面・後ろから見る」「人を育てるのは、教えるのではなく育つ環境をつくること」「既存の仕組みを否定し、まったく新しい視点で企画をする」――師匠といえる先輩の背中を見て育ったから、今のわたしには斬新なアイデアがいくつもあるのだと思っている。

 先のバブル期に入社した連中の中には、わたしを師匠と呼んでくれるメンバーもいる。数年前に海外でERPを導入したプロジェクトでは、システムインテグレーターのSEから師匠と呼ばれた。現代的ではないのかもしれないが、IT部門には「日本の技」の伝承が必要だ。それに魅力を感じ、盗み取ろうとする文化や風土がいる。

 そう感じるのは、わたしだけだろうか。

プロフィール

ウイングアーク テクノロジーズ株式会社 協創企画推進室 岡 政次(おか まさじ)

三重県出身1959年生まれ。1977年シャープ株式会社に入社。本社IT部門に在籍、10年強の新人教育、標準化・共通システム化を担当。さらにシステム企画担当として、ホスト撤廃プロジェクト、マスター統合、帳票出力基盤の構築等に携わる。2007年4月、ウイングアークテクノロジーズ株式会社に入社。現在、経営・エンドユーザー・IT部門の「三方一両“得”」になるIT基盤構想を提唱し、「出力HUB化構想」を推進する。


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