ニュース
» 2007年12月13日 09時00分 UPDATE

会社を変えた社員の声――富士ゼロックスが見つけた次の価値 (1/2)

ITの飛躍的な発展は経済のグローバル化を加速させる一方だ。このうねりを乗り越えるために、富士ゼロックスが気が付いたものとは?

[岡崎勝己,ITmedia]

 『フラット化する世界』は、世界的なベストセラー作家であるトーマス・フリードマン氏の著書の1つだ。この著書の中で同氏は、ITの飛躍的な発展が、国家、企業、個人というあらゆるレベルの関係をフラット化し、このうねりを乗り越えることが21世紀の繁栄につながると説く。

 NECが12月5〜7日の3日間で開催した「C&Cユーザーフォーラム」で講演した富士ゼロックス取締役相談役の有馬利男氏は、経営改革の取り組みの中で、このうねりを乗り越えるヒントを得たと語る。

 「経済のグローバル化が進む中で、地球温暖化を回避するために各国の協議が進められている。その影響は当然、企業にも及ぶ。企業は世界の趨勢にもはや無関心ではいられない」

有馬利男氏 富士ゼロックス取締役相談役の有馬利男氏

 これからの企業は、過去の利益至上主義から脱皮し、新たな意思決定の指針を見出すことが強く求められているという。

 富士ゼロックスは1995〜2001年度にかけ、大きな経営危機に直面した。売上高こそ上昇基調にあったものの、2000年度の利益は1996年度の60%程度にまで低下。こうした状況を打開すべく、同氏は米国の関連会社の社長から富士ゼロックスに呼び戻された。

 有馬氏によると、富士ゼロックスの使命は「世の中に有用な価値を提供すること」と言う。利益はあくまでも、価値を提供するための手段に過ぎないという考えだ。同社がこうした方針を掲げるようになった背景には、過去の経営改革を通じた体験が大きく影響している。

経営危機を乗り越えるために“得意技”を変える

 事業を立て直しを命ぜられた有馬氏は、2004年度からの3年掛かりの中期計画「V06経営計画」を策定し、改革に取り掛かった。11のリストラ系プロジェクトと、5つの成長に向けたプロジェクトから成る抜本的な改革だ。

 今では同社の製品の8割は中国で生産されているが、生産拠点の移管もその1つだ。また、チャネル改革も実施した。全国に合弁で設立していた34の販売会社をすべて100%子会社化し、販売会社で営業からアフターサービスまで行えるよう、本社のエンジニアを販売会社に移籍させ、顧客のビジネスプロセスにおける悩みを解決するソリューションを取りそろえた。「売上を上げる販売会社」「高付加価値を提供する本社」という図式をつくり上げた。

 「従来のハコ売りとアフターサービスで稼ぐ仕組みから、顧客の経営課題を解決できる仕組みに組織構造を変えた。得意技を変えて、事態への対応を図った」と、同氏は言う。

社員の意識改革を通じ仕事のプロセスを変える

 このプロジェクトは必ずしも円滑に進まなかった、と有馬氏。「組織の再編はいわば、企業の“器”を変えるという話。器を変えたことで、社員が仕事の進め方を変える必要があった」からだ。

 プロジェクトの過程では成果が上がらない時期が長く続いた。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

ピックアップコンテンツ

- PR -
世界基準と日本品質を極める Clients First with Innovation & Japan Quality

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆