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» 2007年12月17日 09時00分 UPDATE

Web2.0時代に挑む広告代理店:【第3回】“チーフオタク”と呼ばれるCIO――ITに立ち遅れた広告代理店の姿

「最先端で、クリエイティブな広告代理店だったが、技術インフラはまったく整っていない会社だ」。広告代理店アーノルドの副社長兼ITディレクターのフォルサム氏は入社して直ぐに気付いたという。

[Michael Ybarra,ITmedia]

 広告代理店アーノルドワールドワイドの副社長兼ITディレクターのグレッグ・フォルサム氏は1996年に、アーノルドにネットワーク管理者として採用された。だが、予想外にもそのときに働いていた会社でもう数カ月勤務することを求められた。そこでアーノルドでの新しい上司に相談したところ、その会社での勤務が終わるまでは週1日出社するだけでいいことになった。

 「当時のアーノルドは管理者がそんなふうに不在がちでもでもネットワークは何とかなると考えている程度のものだった」(フォルサム氏)

 入社後間もなく同氏は、アーノルドは、最先端で、クリエイティブで、そして柔軟な文化を持っているかもしれないが、技術インフラはまったく整っていない会社だということに気付いた。

 「お粗末な限りだった。十数本のダイヤルアップ回線を使い、テープでバックアップすることもアラート機能を利用することもしていなかった。サーバがダウンしても、ヘルプデスクの電話が鳴るまで誰も気が付かない。会社に必要な、基本的な装備が欠けていた」と、フォルサム氏は振り返る。

グレッグ・フォルサム氏 アーノルドワールドワイドの副社長兼ITディレクター、グレッグ・フォルサム氏

 その後、フォルサム氏はデータセンターのマネジャーに昇進した。電子メール、ファイルストレージ、バックアップ、インターネットアクセス、情報セキュリティ、パートナーやベンダーとのネットワーク接続など、すべてのバックエンドシステムに責任を持つようになった。

 アーノルドの初代CIO、ジョージ・アベラスマーティン氏とともに、インフラのアップグレードを進めた。アベラスマーティン氏の名刺の肩書きには何と「チーフオタク」とあった。

 オフィスのリースの更新と長期にわたる通信契約の終了のタイミングをとらえて、両氏は老朽化したネットワーク設備を、マルチギガビットのバックボーンや新しいVoIPシステムを備えた、最新のデータセンターに入れ替えた。

 2005年にアベラスマーティン氏が退社し、フォルサム氏はCIO代理に就任した(現在はITディレクターを務めている)。アーノルドの技術インフラとその運用体制を向上させる取り組みの仕上げとして、フォルサム氏は、12Tバイトにも上る同社のデータを安全に維持できるように、堅実な事業継続計画(BCP)を策定した。

 IT部門はVMwareを利用して、45台あったサーバーを12台に削減。これにより、ボストンで活用しているSANと同じ環境をニューヨークオフィスにも構築しやすくなった。こうして、ニューヨークでもデータ量を12分の1に圧縮し、テープレスでバックアップできるようにした。

 さらに、ニューヨークオフィスにサーバを1台追加し、2.5Tバイトもの広告制作物データ用のミラーサーバにした。「多額の投資を行ってきた」と言うフォルサム氏は現在、追加導入すべきツールを検討しているという。

 「われわれはプロアクティブなシステム運用を目指している。これについては改善の余地が大いにあると考えている」

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