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» 2008年02月05日 11時00分 UPDATE

日本ユニシスが挑む“正しい”年功序列 (1/2)

バブルの崩壊以後、米国流の成果主義を導入する企業が相次いだ。だが、ここにきてその弊害を指摘する声は少なくない。日本ユニシスは過去に導入した成果主義の人事考課制度を見直し、“正しい”年功序列を目指しているという。

[岡崎勝己,ITmedia]

成果主義が日本企業の弱体化を招く

 1990年代に多くの企業で導入が進んだ成果主義制の賃金制度。米国流の画期的な人事評価制度として高く評価されたこの制度に対し、弊害を指摘する声が相次いでいる。

 「日本企業の賃金制度は、長年にわたって生活給がベースとなってきた。それが社員に充実感と誇りを持ちながら働ける職場環境につながった。人事考課にあたり、確かに成果を踏まえることは確かに重要だが、多くの企業で採用された成果主義制は、単なるコスト削減の手段だと感じずにはおれない」

佐伯基憲氏 日本ユニシス代表取締役常務執行役員佐伯基憲氏

 こう語るのは、日本ユニシス代表取締役常務執行役員の佐伯基憲氏だ。

 1月24日に開かれたエグゼクティブリーダーズフォーラムは「人を育てる経営」がテーマ。佐伯氏は日本ユニシスの人事・法務・人材育成各部の管掌を務める自身の経験を踏まえ、日本企業のあるべき人事評価制度について講演した。

社員は「消耗品」ではなく「貴重な資産」

 「成果主義の導入により、多くの日本企業で“人材”という貴重な資産が失われてしまった」というのが佐伯氏の見解。その結果、企業から貴重な知識や知恵が失われ、その傷から癒えていない企業も少なくないとみている。

 日本ユニシスでも1999年、「おそらくコスト削減のため」(佐伯氏)に成果主義を導入したという。その後、2003年には報酬に成果をより強く反映させ、成果主義を強化した。佐伯氏に人材育成にまつわる役員就任の話が舞い込んだのは、その数年後の2005年のこと。当時、新たに社長に就任した籾井勝人氏から、人材評価制度の改定を命じられたのが発端だったという。

 「企業間の激しい競争を乗り切るには、我々自身が成長するしかない。そう考えれば、社員は決して消耗品ではなく、さまざまなことを学び、企業を新たな成長に向かわせる貴重な資産。成果だけでなく、社員の備える能力と成長度の視点から人材を評価しなければならないことに、改めて気づかされた」

 実のところ、佐伯氏は約30年にわたり三井物産でサプライチェーンの構築やIT推進に携わった後、日本ユニシスへ入社。人事業務の経験はまったくなかった。人事評価制度の改定にあたり、企業の使命を「永続すること」ととらえ直し、その条件を満たす方法を人事制度に反映させようと、考えた末にたどり着いたのが今の日本ユニシスの人事制度だという。

やる気はお金では買えない

 日本ユニシスが新たにまとめた人事制度には、従来からの「役割」と「成果・業績」に加え、「価値創出力(能力)」と「成長度」の視点を加えた。これにより、与えられた役割に沿う成果を上げるために、個々の社員が成長に励み、能力を高め、さらに高いレベルの役割を務めるという「成長の循環」を生み出すのが狙いだ。

 その一方で「社長の人生観は経営に影響を及ぼす」(佐伯氏)ことも踏まえ、日本ユニシスとして求める人材像や、企業風土の土台を成す同社のマインドの明確化も進めた。日本ユニシスは親会社との関係から社長が交代することがあるが、その場合でも社員の評価がぶれることを抑制したいという。

 「歴史を重ねた企業では、当たり前と思われることも社内のしがらみから行えないことがある。人材像やユニシスマインドを策定したのは、そうした事態が生じることを防止する狙いもある」と佐伯氏。

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