トレーサビリティ、提案資料。具体的な用途広がるBI活発化する「現場のBI活用」(2/2 ページ)

» 2008年03月21日 10時44分 公開
[大西高弘,ITmedia]
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3000万件のデータを扱う

 「Dr.Sum EA」を活用している日清製粉ではSAP/R3を基幹システムとして採用しているが、ここで蓄積された大量のデータを「Dr.Sum EA」によって解析し、トレーサビリティに利用している。出荷した製品のデータを迅速に検索できることに着目して、トラブルが発生した場合にも、その製品の製造、出荷情報を素早くつかめるというわけだ。蓄積されている4年分の出荷情報は約3000万件だという。

 また同じくこのツールを導入している、エンターテインメントソフト卸業の星光堂では、顧客への提案資料作成に各営業担当者が自分でデータを集計し、顧客に見合ったデータに加工して活用している。同社では、かつてITスキルの高い社員が、独自に基幹システムからデータを抽出して分析に活用していたが、「Dr.Sum EA」を導入してからは、こうした作業は一般の社員にも広がったという。

 このように、データの抽出、検索、集計などの一連の作業が迅速にできるようになれば、それだけで、現場への浸透が進んでいくのである。

 ただ、星光堂などの業種はデータを分析することが顧客サービスの一環であり、本業の一部だという意識が強い。データ活用の結果を顧客に見せるような仕事でない場合は、やはりなかなか活用は難しいかもしれない。

 もちろん、内勤業務でもデータ活用の結果が仕事に直結するケースもある。管理部門などが、グループ企業を含めた人員配置や、労務管理などを行う場合である。つまり、社内にユーザーがいるケースだ。人事情報を集計し、最適な人事施策を提案するなど、やれることは豊富だ。

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