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» 2008年04月08日 07時00分 UPDATE

新世紀情報社会の春秋:ゲーム機が突入する「端末プラットフォーム戦争」 (1/2)

DSやWiiが原点に立ち返って追求した、現代人にも共通する普遍的な娯楽の本質に相当するものを、PS3は別の視点から追求しようとしている。

[成川泰教(NEC総研),ITmedia]

Cellプロセッサが秘める意外な可能性

前回ゲームの世界はもはや単なるエンターテイメントの一部ではなく、情報社会の今後の展開に非常に重要な役割を果たす存在となりつつあるのではないか、という考察を述べた。

 プラットフォームという意味では、ソニーのPS3が備えるCellプロセッサは、同製品のスタートアップ段階でいくつかの悪影響をもたらす結果となったが、一方でゲーム以外での様々な可能性を浮かび上がらせることにもなった。

 モデリング技術を駆使したマニア指向の高品質デジタルAVや、PS3にカスタマイズされた専用のLinux OSの登場、さらにはスーパーコンピューティングやグリッドコンピューティングへの応用などはその代表例である。そして今年になって同機が採用しているBlu-rayディスクが、もう1つの規格争いで勝利を収めた意味合いは極めて大きいといえる。

 昨年までのゲーム市場において、DSやWiiで大きな成功を収めた任天堂が、マニアックな世界に閉じようとしていたゲーム市場の方向性を、より一般的でわかりやすい方向に広げることで成功を収めたことはしばしば指摘される。

 筆者もその点には同意するが、ではライバルのPS3がマニア向けゲーム機の象徴かと言われれば、それは短絡的な考えだと思う。

 DSやWiiが原点に立ち返って追求した、現代人にも共通する普遍的な娯楽の本質に相当するものを、PS3は別の視点から追求しようとしている。それはソニーが長年追求してきた、美しい映像や美しい音声ということに他ならない。

sk_ps3.jpg PS3はマニア向けゲーム機の象徴ではない

 PS3はそのテーマを、ディスプレイやスピーカではなく、新しい情報メディアの時代にふさわしい、デジタル信号処理という領域で追求しようとしている。

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