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» 2008年05月16日 07時00分 UPDATE

三方一両得のIT論 IT部門がもう一度「力」をつける時:【第11回】疲弊するIT部門(4)〜「俺流プロジェクトマネジメント」のすすめ (1/2)

わたしの考えるシステム構築手法は、世の中で提唱されている手法と少し違う。今回はその手法を紹介しながらITスタッフに求められる気質について探っていきたい。

[岡政次,ITmedia]

ユーザーの立場を知ることの大切さ

 システム構築をする際、IT部門は業務を最適化することを盛り込んだ案を提案する。ユーザー部門は自分たちが考えた部門最適な条件を譲ろうとしない――そんなITと業務のギャップがお決まりのように発生する。このような状況はなぜ発生するのだろうか。この原因を理解していないと、出来上がったシステムは稼働と同時に大幅なシステム改善を強いられる。よくある失敗例となる。

 IT部門の考える「業務の最適化」はトップダウン的な考え方が理想だ。現状のいびつな会社組織や業務手順を否定する提案である。一方、ユーザー部門が要求するのは、現在の組織で最も効率よく仕事ができる仕組みを提供するシステムである。ユーザー部門のこの考え方は、限りなく個別最適な仕組みをつくってほしいといっているわけだ。

 しかし、これはそれぞれが頑固とか、考えに柔軟性がない、というのではなく、それぞれの置かれている立場やそこに至った経緯が大きく違うために起こっている。決して、どちらが正しいとか、間違っているとか、そういう次元の話ではない。このギャップを肯定してシステム構築に入っていくことが必要だ。

 このギャップを埋めて、最終的に「個別最適と全体最適の両立」と変化に柔軟に対応できる仕組みにどう仕上げていくか。そのシナリオを描き、両立できるシステムを「仕込む」力がこれからのITスタッフに求められる気質といえるだろう。

プロジェクトマネジャーのジレンマ

 プロジェクトの進め方にはセオリーというものがある。システムインテグレーターのプロジェクトマネジャー(PM)の仕事の進め方はマニュアル通りで、進捗管理とユーザーレビューでの合意形成に最もパワーを割いている。

 セオリーでは、エンドユーザーから執拗(しつよう)にヒアリングを繰り返して、これ以上ヒアリング漏れはないというところまで業務要件を吸い上げ、後でもめないようにしっかり要件書をまとめ上げる。そして、システム構築のリスクを最小限に下げ、納期通りにシステム導入する。彼らは、PMとしての教育や訓練を十分受けているから、企業のIT部門の要員よりもPMとしては優れているかもしれない。

 しかし、この型にはまったPMのプロには決定的に不足しているスキルがあるとわたしは考えている。ユーザーのニーズ通りにシステムを構築してもユーザーの満足が得られないからだ。

 きちんとセオリーに従って手順を踏んで、ユーザーレビューを行い、導入トレーニングを十分行い、納期通りにシステム導入している。それでも、ユーザーの評価はもう一つパッとしない。それはなぜなのか。一体、ユーザー満足度とは何なのだろう。そういう疑問にぶち当たる。

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