ユーザー系システム子会社の低利益が明らかに ITR調査

売上高利益率の低さ、グループ企業以外への事業展開の少なさなど、ユーザー系システム子会社の収益構造の厳しさが浮き彫りになった。

» 2008年05月26日 15時05分 公開
[ITmedia]

 IT調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)は5月26日、ユーザー系企業のシステム子会社を対象とした経営分析調査の結果を発表した。システム子会社の低い売上高利益率が明らかになった。

 同調査は、2007年8月から9月にかけて、PCメーカーなどの事業会社を除いた株式公開企業(同年6月末時点)および生命保険などの有力企業の計3731社を対象に実施。ユーザー系システム子会社の経営指標を成長性、収益性、効率性、生産性の観点から評価した結果に加え、直面する経営課題を「親会社/グループ」「売上高/予算」「組織/人材」「外販/内販」の4つの視点で分析した。

 調査によると、全体の10.7%(399社)がシステム子会社を傘下に持ち、業種別では金融業が43.2%と最も高い保有率となる。収益面では、売上高純利益率は平均2.7%と低く、5%以上の企業は20.5%という結果となった。赤字企業は5.8%も存在した。また、親会社やグループ会社以外に向けた事業を展開する外販も少なく、外販比率がゼロという企業は約7割に上る(下図参照)。

システム子会社の外販売上比率 システム子会社の外販売上比率

 システム子会社の今後のあり方についてITRは、「機能子会社としての立場を堅持する一方、外販売上比率の向上などで親会社やグループ企業への貢献度を高めていくことも、今後の成功シナリオの1つになる」とコメントした。

関連キーワード

経営


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆