公共事業を効率化、国交省仕様に自動変換するCADツールを発表 オートデスク

2010年までに全国の市町村で実施される公共事業に関する設計図の電子納品。準拠すべくフォーマットを統一する作業に追われる事業主を支援するツールが発表された。

» 2008年09月10日 11時39分 公開
[ITmedia]

 2D・3Dソフトウェア大手のオートデスクは9月3日、建設会社などが公共事業の際に国土交通省に電子納品する設計図書の仕様に準拠した支援ツールを発表した。人的ミスや全体工数の削減など土木事業の業務効率化を狙う。

 新製品は「AutoCAD LT Civil Suite」。AutoCADソフトウェアの最新版である「AutoCAD LT 2009」と、新たに開発した電子納品支援ツール「Autodesk CALS Tools」で構成される。CALS Toolsは、オープンCAD評議会で認定された技術をベースに開発したものとなる。電子納品のための要求仕様に準拠するよう、工手図面や製図レイヤーを自動的にチェック、修正し、SXF形式(電子納品における標準規格。異なるCAD間でデータをやりとりする際に使用する中間ファイル形式)の納品用ファイルに変換する。

 国土交通省は2001年より、ITを活用した情報の効率的な共有を推進し、業務全体の生産性やコストの削減を目的に、直轄事業においてプロジェクトにかかわる施工計画書、設計図、議事録、写真などの書類の電子納品を進めている。2010年までに市町村を含めた全公共事業に全面的に実施される計画である。

 これまでは各事業主が独自にファイル形式や設計図のレイヤー名などを設定しており、電子納品の仕様に合わせるために、ガイドラインを確認しながら手作業による修正が発生していた。「国内で公共事業に携わるユーザーは全体で50万人に上る。Civil Suiteを活用することで、作業効率の向上とそれに伴うコスト削減が業界全体で期待できる」(オートデスク製品担当者)としている。

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