14のチェックリストに見る、停滞する組織問われるコーチング力(1/2 ページ)

北京五輪の星野ジャパンは、組織(チーム)で目標を共有せず遂行力に欠けていたため成功に結び付かなかった。それではあなたの組織に遂行力はあるか? チェックリストから判断しよう。

» 2008年09月17日 07時30分 公開
[細川馨(ビジネスコーチ),ITmedia]

「問われるコーチング力」バックナンバーはこちら


 福田首相が辞任した。1年足らずの退任に、あきれている人も多いのではないだろうか。衆議院と参議院で与党と野党の勢力が逆転している「ねじれ国会」の状況で、与野党が歩み寄らず、重要なことがまったく決まらないということが一因ともいわれている。

 前回、いくら能力の高い人が集まっても、組織の遂行力がなければ、組織の成果は出せないと話した。現在の政治を見ていると、組織遂行力というものがまったく見られない。燃料価格や食糧価格の高騰が深刻になり、経済の停滞が鮮明になる中で、すぐにでも対策を練らなくては日本の今後が危ないという状況である。にもかかわらず、日本の将来に向けて与野党が力を合わせるどころか、それぞれの利権獲得や派閥争いに忙しく何も遂行できていない。今の日本の政治状況は、遂行力がない組織、そのものである。

遂行力のある組織、ない組織

 組織遂行力とは、「組織のゴールに向かってメンバー全員が一致協力して決めた戦術を実行し、成果を出し続ける力」である。今回は、組織遂行力が低下している組織について考える。まず、あなたの組織に遂行力があるかどうか、下記の項目をチェックしてほしい。


□ 1. 会議などで仕事の納期を決めない傾向がある。
□ 2. 社内、部署で取り決めているルールが守られていない。
□ 3. 仕事の責任者が不明確である、もしくは決めない。
□ 4. 未達成になったとき、責任者が言い訳をする。
□ 5. 仕事の担当者からの経過報告がなく、全体の進ちょくを理解している人が不在である。
□ 6. 設定目標と現場の目標について、本部がその背景や異議を説明していない。
□ 7. 現場の責任者が自分の腹に落として、目標の説明をメンバーにしていない。
□ 8. 成功事例に興味がない。共有化しない。その事例を分かりやすくメンバーに伝える人がいない。
□ 9. 戦略が具体的でないため、仕組みではなく、属人的なスキルに頼っている。
□ 10. 組織の目標達成のための戦略、戦術、実行計画、確認のサイクルが回っていない。
□ 11. 組織の目標を達成するために関係者同士で対話を通じた打ち合わせがない。単に指示命令、連絡事項の伝達に終わる。
□ 12. 組織のリーダーとメンバーが目標を達成できなくて当たり前だと思っている。
□ 13. 朝のモチベーションが全体に低い。特に月曜日に、疲れている人が目立つ。
□ 14. 業績数字に無頓着、無関心な人が多い。

 あなたの組織はいくつ当てはまっただろうか? 多ければ多いほど、組織遂行力のない組織である。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆