社員の情報活用を促進し、企業に価値をもたらす仕組みづくりをITmedia エグゼクティブセミナーリポート(2/2 ページ)

» 2008年10月25日 09時30分 公開
[岡崎勝己,ITmedia]
前のページへ 1|2       

他社との差別化に向けBIツールを“育てる”

 もともと、BIには経営管理層の意思決定のためのツールという印象が根強い。だが、現場で業務にあたる社員の判断すべき事柄がますます増えつつある中で、社員の各種判断を支援するためにもBIは欠かせない存在となりつつある。また、森島氏によると、BIを必要とする企業も、大企業のみならず中堅・中小企業にまで裾野を広げつつあるという。

 そうした企業から注目を集めているBIツールがマイクロストラテジー・ジャパンのBIツール「MICROSTRATEGY8」だ。その特徴は統一されたアーキテクチャ基盤の上にレポーティングやOLAP(Online Analytical Processing:オンライン分析処理)をはじめ、BIに求められる機能をすべて実装している点にある。IT調査会社の米Gartnerによる2008年の各種BIツールの調査でも、同製品は最高得点を獲得しているほどだ。

 すでに全世界で3000社も導入されており、その活用方法も多岐にわたる。例えば米国で企業向けに事務用品の通信販売を手掛けるある企業では、顧客の過去の購買履歴を分析し、追加発注が見込めそうな商品を購買画面に表示させることに活用し、売り上げの向上に貢献する。また、米国で郵便配達業務を担っているUnited States Postal Servicesでは、外注の郵便配送業者のルートを分析し、ルートの最適化を図ることで配送の遅れの防止と、配送業務に必要とされる燃料の削減を実現している。

 ただし、BIによって大きな成果を上げるためには、試行錯誤が必要なことも確かなようだ。

 「BIの利用にあたって最初から明確な目的を設定し、大規模に導入することは社内にさまざまなニーズがあることから現実的には極めて困難。当初は試行錯誤を重ねる必要があるだろう。だが、その過程を経ることで、ツールをいわば“育てる”ことが可能。ひいては、BIを用いて他社との大きな差別化を図れるようになるのだ」(森島氏)

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆