コラム
» 2008年10月29日 14時04分 UPDATE

サバイバル方程式:CIOを増やし環境を好転させるのは、CIO自身 (1/2)

日本ではいまひとつ進んでいない、「CIO教育」や「CIO育成」。どうすれば活発化していくのだろうか。

[増岡直二郎,ITmedia]

高度IT人材の育成は進んでいるか

 米国のCIOコアコンピタンスは明確に規定されており、それに基づくCIO教育はしっかり制度化されており、充分定着もしている。日本はそれにならおうとしているが、果たしてその教育は軌道に乗るのか、定着する可能性はあるのか。どうも簡単には行きそうもない。では、どうしたらよいのか。

 多少退屈かもしれないが、日米のCIO人材教育の取り組み概要についてしばらく触れてみたい。その後の議論の前提となるからである。

 CIO先進国である米国では、CIOに関する12のコアコンピタンスと571項目の学習目標が、米国IT管理改革法に基づいて設定され、CIO予備人材や候補者に対する教育の基準とされている。CIOやその候補者向けの大学院レベルの教育プログラムとして、ジョージ・メースン大、ジョージ・ワシントン大、カーネギー・メロン大、シラキュース大、ラサール大、メリーランド大など、いわゆるCIO大学6校で利用されているという。CIO大学の教育方針や運営方法は、連邦CIO協議会によって評価されている。教育プログラム修了者には、「連邦CIO資格証明書」が授与される。

 ジョージ・メースン大の場合は、リーダーシップとマネジメント分野として、組織構築・ビジネスプロセスデザイン・チーム編成・企業家育成・クライアント管理・経済分析・市場分析・プロジェクトマネジメント・産業構造調整、一方技術分野として、戦略・商品化・イノベーションモデル・アセスメント・予測モデル・システム構築・包括的分析・意思決定などの科目がある(以上、岩崎尚子著「CIOの新しい役割」かんき出版より)。

 日本においては、米国のCIOコアコンピタンスを参考にして日本版のコアコンピタンス案と学習項目案を策定するため、経済産業省から「CIO育成のためのコアコンピタンスと学習項目の調査研究報告書」が、2004年2月に出された。そこには、CIOが身に付けるべき経験や知識などが、13大項目、82中項目、および589小項目にまとめられている。

 そして、2006年7月にIT戦略本部は「重点計画2006」で、CIOの設置と高度人材の育成への取り組みを提言している。

 その内容は、「IT経営の実現により我が国企業の競争力強化を図るため、2006年度中にCIOのベストプラクティスを調査し、CIOに求められる機能として公表することによってCIOの重要性を普及させ、CIOの設置を促進する」としている。

 高度人材の育成については、「高度人材の育成に向けた総合的な取り組み」として、「プロジェクトマネージャー、ITアーキテクチャー、ITコーディネーター、組み込みソフトの専門家等の高度人材の育成を促進し、産業界における高度IT人材の需給のミスマッチを解消する」となっている。具体的施策の1つとして、大学等における実践的人材の育成を推奨し、大学院など世界に通用する高度IT人材育成の拠点を形成するとしている。

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