「IT部門の再生工場を目指す」――ITR内山社長、2009年の展望「2009 逆風に立ち向かう企業」アイ・ティ・アール(2/2 ページ)

» 2009年01月01日 00時00分 公開
[聞き手:杉浦知子,ITmedia]
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ITmedia お金がない時だからこそ情報システム部門がするべきことはどんなことでしょうか。

内山 新規投資がしにくい時は、人材育成に労力を費やすといいでしょう。即効性はなくても、10年後の会社の力量を左右します。社内の体制の強化やIT部門のスキルアップをしっかりやるべきです。

 特に、20代後半から30代前半の世代のマネジメント力を付けるための教育が重要です。5年、10年後に会社を背負っていく年代なのに、現場を知っていてもマネジメントを知らない人が多いのがこの世代の特徴です。入社後に新卒採用が減ったため、部下を持つ機会が少ないのが原因の1つだと考えられます。

20代後半から30代前半の、これからの会社を担う人材の教育を目的に「内山塾」を開講した

ITmedia 教育とは、具体的にどのようなことをすればよいでしょうか?

内山 2008年に私は、人材育成のための私塾「内山塾」を始めました。20代後半から30代前半を対象に、ビジネスにおける問題解決力の習得を目的としています。

 内山塾ではブレインストーミングで、マインドマッピングやロジックツリーといったツールのユニークな使い方を考えています。一般的な使い方だけではビジネスの問題解決には限界があります。ほかの手法を3種類、5種類知っていたら、それらをうまく融合させて自分の手法を生み出すことができます。さまざまな方法を組み合わせて問題を解決する必要があります。

 横のつながりを作ることもできます。一般に部長クラスになると、外部の「部長会」などに参加することで他社との交流ができます。しかし、情報システム部門にいる20代後半から30代前半の世代の方々は、自分の会社の人しか知らないことが多いんですね。内山塾に参加すれば、さまざまな企業の情報システム担当者との人脈をつくり、視野を広げられます。

ITmedia 2009年の展望を教えてください。

「IT部門の再生工場を目指す」――それが2009年の目標です。2009年は内山塾の規模を拡大し、私塾の形態ではなく教育の形態に人数的な規模を広げ、40代の人たちまで年齢層を拡張していきたいです。内山塾の量産モデルを作りたいですね。わたし以外の人間、ITRのアナリストやそれ以外の専門家に手伝ってもらえるようなプログラムを作っていきたいと思います。

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