「従来のITサービスからの脱皮を」――IT企業社長、2009年の意気込み年頭所感(2/3 ページ)

» 2009年01月05日 16時35分 公開
[國谷武史, 藤村能光,ITmedia]

NTTデータ 山下徹社長

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 2008年は100年に一度と言われるほどの社会・経済を揺るがす変化が押し寄せた。企業はこの変化をチャンスととらえることで、厳しい時代の荒波に立ち向かおうとしている。NTTデータはITを使って顧客の変革を実現しなければならない。

 その決意を新ブランドメッセージ「変える力を、ともに生み出す」の言葉に込めた。顧客の変革を支援するパートナー企業になるべく、従来から強みを持つ「システム開発」に加え、顧客の業務変革を支援する「変革コンサル」、システム活用を支援する「システム活用サポート」を核とする事業モデルへの転換に取り組んでいる。

 世界21カ国60都市に仲間を持ち、世界規模での成長も加速させている。世界中の英知を集め、世界的な視点でベストプラクティスを提供する。国内外を問わず顧客を支援できる能力こそ、顧客の求める変革パートナーとしての必須条件だ。

日立製作所 古川一夫社長

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 今回の金融危機は一過性のものではない。危機が続く中で、市場が求めるもの、市場自体の規模や業界の構造は大きく変わるだろう。2009年は、世界経済の構造変革が始まる年になる。今こそ「総合力」「シナジー」を生かし、リスクをチャンスに変えるべく、グローバルな成長を志向する戦略を一気に本格化させる必要がある。

 先進国ではマイナス成長が見込まれるが、新興国地域では多少の減速はあるとはいえ成長が続き、社会インフラをはじめとする大きな需要が見込まれる。金融危機をグローバル化のアクセルを踏んでいくための好機ととらえ、事業のグローバル化や人材の有効活用を進め、経営のグローバル化を推進する。今年のキーワードは「変化即応力」と「環境価値創造力」の充実だ。

日本ユニシス 籾井勝人社長

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 昨今の経済状況は輸出産業を中心に非常に厳しい。このような経済状況だからこそ、積極的な経営が重要だ。われわれは、絶えず新しいことに挑戦することが将来の大きな強みになると考え、顧客視点で情報通信技術(ICT)サービスを提供していく。安心して社員が働ける環境を継続させ、社員の活力を基に、より品質の高いシステム開発を求められる顧客ニーズやICTを活用したコスト軽減に着実に応えたい。

レッドハット 廣川裕司社長

 世界不況が進む中、実際の商談を通じて感じるのは企業や官公庁のIT投資が抑止傾向にあることだ。それに伴い、徹底したコスト削減による企業の競争力向上を目指す手段として、オープンソースソフトウェアによる情報システムへの需要が加速度的に拡大し始めた。2008年に注目を集めたクラウドコンピューティングや仮想化技術も、2009年はさらに普及するだろう。

 Linux OS製品では、40年続いたメインフレーム・UNIX中心の独自仕様OSからオープンソースソフトウェアに向かう日本のIT業界のパラダイムシフトが始まるだろう。企業が生き残るにはアプリケーションの柔軟な構築が不可欠になる。変化に強いシステム構築が可能なSOA(サービス指向アーキテクチャ)もますます重要になるだろう。日本のソフトウェア市場に革命的な進歩と企業競争力をもたらし、日本IT市場および経済の復興に貢献したい。

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