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» 2009年02月13日 08時00分 UPDATE

間違いだらけのIT経営:安易に逃げるな、挑戦のチャンス (1/2)

取引先の都合に振り回されて、思うようなシステムを構築できない納入業者を数多く見てきた。双方の力関係はあるものの、泣き寝入りせず前向きにとらえてチャレンジしていくことが成功への第一歩だという。

[増岡直二郎(nao IT研究所),ITmedia]

「間違いだらけのIT経営」バックナンバーはこちらから。


 IT導入を成功に導くためのポイントについて、今回は取引先(顧客)との関係を取り上げたい。その関係は前回のテーマ「外注先との関係」の裏返しともいえる。

 外注先との関係性は、善しあしは別にして、発注元との主従関係、発注元への依存関係が前面に出てくるし、外注先が中小企業であることが多い。一方、ここでいう取引先との関係性は、納入先である取引先顧客と納入業者との一般的な取引関係を指す。両者は比較的対等の関係にあり、納入業者が中小企業とは限らない。そうは言っても、取引先と納入業者との力関係においては顧客である取引先が有利であることには変わりない。システム構築においても、納入業者は取引先の都合に振り回される。いくつかの例を挙げよう。

 中堅の情報電子機器メーカーA社は、取引先である問屋のB社の要求により受発注システムの専用端末を導入した。専用端末を導入したことによってA社は、B社からの見積もりや製品仕様、在庫、受注などの問い合わせにいちいち担当者が介在して自社システムに入出力し直さなければならないため、膨大な手間がかかる。A社は当初、自社システムとの整合性を図る案を提示したが、B社に却下された。競合メーカーであるほかの3社すべてがB社の提案システムに対応する状況にあって、A社は早々に主張を取り下げざるを得なかった。

 後日A社が知った情報によると、納入業者4社のうち納入占有率で3位のメーカーC社が早くからB社のシステム導入にかかわり、かなりの立ち入ったコンサルティングをした結果、B社はC社にとって最も整合性のあるシステムを導入していたのだった。

店舗ごとにデータ形式がばらばら

 別の例を見よう。家電販社のD社は、ディスカウントストア(DS)など約100店と取引をしていたが、注文票、出荷票、受領票、請求書、支払い書などが店ごとに異なっていて、非常に苦労をしていた。DSなどから送信されるそれぞれ異なるフォーマットをD社のフォーマットに変換したり、逆にD社から送るデータをそれぞれの店ごとのフォーマットに合わせたりする必要があった。そのため、100店それぞれについて個々のプログラムで対応していた。

 社内でのデータ変換やDSなどからの業務の変更要求に応じたプログラム修正などに掛かる手間は甚大だった。

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