ニュース
» 2009年05月22日 09時00分 UPDATE

丸山先生レクチャーシリーズ 第6回リポート:クラウドとSOA、共通する課題とは?

企業での関心が強まっているクラウドコンピューティングだが、安易に導入できるものでもない。丸山氏は「クラウドとSOAは通じるものがある」と語る。

[伏見学,ITmedia]

 4月24日、日本オラクルが主催するイベント「Oracle OpenWorld Tokyo」において、早稲田大学大学院 情報生産システム研究科で客員教授を務める丸山不二夫氏の「第6回 丸山先生レクチャーシリーズ」が開かれた。クラウドとSOA(サービス指向アーキテクチャ)の最新トレンドをテーマに講演した丸山氏は、「企業のクラウドコンピューティング対応とSOA導入における課題は通じるものがある」と考えを示した。

早稲田大学大学院 情報生産システム研究科の客員教授、丸山不二夫氏 早稲田大学大学院 情報生産システム研究科の客員教授、丸山不二夫氏

 クラウドコンピューティングに対する企業の関心は高まっているものの、現状の情報システムから移行する必要性、新たな技術の可能性などについては、慎重姿勢を崩していない。丸山氏は「クラウドの商用利用はこれからだ。しかし備えは今からすべき」と強調する。

 企業内の情報システムをクラウド化するための条件は何か。丸山氏は、システムがサイロ化していないこと、全社レベルでITガバナンスが利いていること、最終的には経営層の意思決定が可能なことの3点を挙げる。「これらはSOA環境を実現する条件でもあり、企業クラウドの導入とはSOAに基づいた企業システムとの再統合にほかならない」と丸山氏は解説する。裏を返せば、SOAの導入が成されていればクラウドへの移行も容易というわけだ。

 丸山氏によると、SOA導入を阻害する原因には業務側からの問題とIT側からの問題が存在する。前者は、ガバナンスの不確立、ビジネスを醸成するサービスのモデル化、ビジネスプロセスの抽出の困難、データの重要性の過小評価がある。ガバナンスに関しては「CIO(最高情報責任者)が統制を効かせて、技術やビジネスの決断に食い違いがないようにするべきだが、まだ日本では実現できていない」と丸山氏は語る。IT上の問題については、ビジネス上の価値が見えない、既存のシステムをWebサービスで置き換えただけにすぎない、俊敏性や拡張性の欠如などが挙げられる。

 「たとえ導入や運用のコストが安いからといっても、準備なくしてクラウドへの移行はできない。ベンダーやシステムインテグレーターもクラウドの最新技術にキャッチアップしてユーザー企業へ情報提供すべきだ」(丸山氏)

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -
世界基準と日本品質を極める Clients First with Innovation & Japan Quality

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆