ベオグラードでにぎるおにぎり小松裕の「スポーツドクター奮闘記」(2/2 ページ)

» 2009年07月21日 07時45分 公開
[小松裕(国立スポーツ科学センター),ITmedia]
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苦労した経験から学んだこと

 わたしも時々体操部屋にお邪魔して、板長の作った料理をごちそうになりました。さらには、弟子入りさせていただいて、おにぎりや日本そばの極意を教わりました。「今まで自分がしてもらったことを、今度は少しでも選手たちにしてあげたい」と語る鹿島板長。苦労した選手だからこそ、選手たちが何を考え、何をして欲しいと思っているのか、現在の自分の役割をしっかりとらえています。またまた勉強になります。

 体操チームは競技を終え帰国しましたが、残してくれた炊飯器や食材を使ってさっそくおにぎりを握ってみました。試合前のバスの中でわたしの握ったおにぎりを食べた男子バスケットボールの選手たちは、韓国を相手に快勝、試合後に陸川章監督に挨拶をすると「先生ありがとう、おにぎりのパワーで勝てました」と応じてくれました。本当かどうかは分からないけれど、確かに、薬を処方するより皆が元気になるような気はします。

 今回のユニバーシアードも残すところあとわずかです。おにぎり作りでも、そば作りでも何でもやって、日本選手が少しでも活躍できるように頑張ろうと思います。

鹿島コーチ(右)からおにぎりをご馳走になる著者 鹿島コーチ(右)からおにぎりをご馳走になる著者

著者プロフィール

小松裕(こまつ ゆたか)

国立スポーツ科学センター医学研究部 副主任研究員、医学博士

1961年長野県生まれ。1986年に信州大学医学部卒業後、日本赤十字社医療センター内科研修医、東京大学第二内科医員、東京大学消化器内科 文部科学教官助手などを経て、2005年から現職。専門分野はスポーツ医学、アンチ・ドーピング、スポーツ行政。



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