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クラウド実証リポート「ザ・プロに聞く」第1回:グループ全体でNECが取り組む経営システム改革とは?

経済環境の悪化を受けて、多くの企業がコスト削減や業務効率の向上などさまざまな経営課題に直面するなか、NECは業務プロセスとITの刷新による経営システム改革を実践している。ポイントは基幹システムのクラウド活用であるという。




クラウド実証リポート「ザ・プロに聞く」 INDEX
【第1回】 業務プロセス改革編 NEC 執行役員 龍野康次郎氏
【第2回】 ITシステム改革編  NEC 執行役員 富山卓二氏



 TCO削減やスピーディな連結経営管理を目指し、グループ全体にわたる経営システム改革の実践に自ら取り組むNEC。「業務プロセス改革」や「ITシステム改革」、大規模基幹システムのクラウド活用など、経営システム改革成功の鍵を、実行責任者の一人である龍野康次郎氏に聞いた。

企業が生き残るには全社を俯瞰した経営システム改革が不可欠

──近年、企業を取り巻く経営環境にどのような変化が見られますか?

NEC 執行役員 兼 製造・装置業ソリューション事業本部長の龍野康次郎氏 NEC 執行役員 兼 製造・装置業ソリューション事業本部長の龍野康次郎氏

龍野 多くの企業が今、事業環境において新たな局面を迎えています。世界の市場では、製品の低コスト化とともに製品ライフサイクルが非常に短くなり、開発におけるより一層のリードタイム短縮が求められています。

 また2008年、世界中に広がった金融不況は日本国内の企業にとっても大きな打撃となっています。特に数年前から海外事業比率が急激に高まってきた製造分野では、営業利益全体の約半分を海外事業が占めるという企業も多く、市場や事業環境に劇的な変化が訪れました。さらに最近では、企業の社会的責任(CSR)としてさまざまな法制度への取り組みも、大きな経営課題となっています。

──事業環境が変化する中、経営システム改革の重要性が高まっています。

龍野 日本では多くの企業が、企業グループを形成し、グループ各社が業務のマネジメントをそれぞれ独自に行っています。この「個別最適」によるマネジメントは、グループ全体での業務パターン増大という結果を招き、事業状況を素早く把握できない、業務効率が低下するなどの弊害を引き起こしています。また、グループ各社で個別に構築・運用されているITシステムも、投資コストの上昇につながり、経営の大きな負担となっています。

 グローバルな事業展開に目を向けると、各地域の法制度は雇用制度への対応などが新たなコスト増をもたらしていますし、国際会計基準への対応なども急がなければなりません。こうしたさまざまな課題を解決するには、グループ全体の事業の可視化や業務の標準化が不可欠になってきます。そこで重要なのが「個別最適」から「全体最適」に向けた経営システムの見直しです。企業全体の抜本的な改革により、大幅な業務効率向上やTCO(Total Cost of Ownership)削減に加え、ガバナンスの強化も可能になるのです。

経営システム改革の核となる業務プロセスとITシステム

──NECが実践・実証する経営システム改革とは?

龍野 NECでは現在、経営システム改革の実現のために、「構造改革」「業務プロセス改革」「ITシステム改革」を三位一体で推進しています。増大する業務パターンを減らすことなしに、いくらIT改革に取り組んでも、十分な成果は上がりません。つまり業務プロセス改革とITシステム改革が一体となって、初めて経営システム改革が実現できるのです。

 今回NECが自ら実践している経営システム改革の目的は、国内外の関係各社の業務プロセスを標準化し、グループ全体で共通活用できる新たな事業基盤を構築することです。最大の狙いは、業務プロセスの標準化や基幹システムの統合による大幅なTCO削減です。同時にグローバルな競争力強化やグループ全体におけるリアルタイムな連結経営管理の実現も目指しています。今回の業務プロセスとITシステムの改革は、情報システム部門まかせではなく、経営トップのリーダーシップによって推進していることも注目すべき点といえます。

──経営システム改革の柱の1つである、業務プロセス改革について教えてください。

龍野 NECグループを横断した業務プロセスのシンプル化は、2008年7月にスタートしました。事業状況の素早い可視化や内部統制強化を図るには、グループ企業全体に存在する業務パターンを、どれだけ標準化・共通化できるかがポイントでした。NECでは、グループ企業の経営基盤である「販売・購買・経理」という3つの機能領域における業務プロセスの標準化と、「SI・装置・量販・デバイス」の4つの主要事業領域における事業活動の全体最適化を行い、これによって国内外のグループ企業共通の統一基準ともいえる業務プロセスを構築しました。

NECグループ全体で実践した業務プロセス改革 NECグループ全体で実践した業務プロセス改革

──業務プロセス改革におけるポイントは?

龍野 1つはオーナー制度の導入です。業務プロセス標準化の責任者として「プロセスオーナー」を、またグループ全体の業務コード(製品コード、取引先コードなど)共通化の責任者として「コードオーナー」を新たに配置しました。各オーナーは、今回の業務プロセス改革責任者としてだけでなく、現状把握や改善など継続的なBPM(ビジネスプロセスマネジメント)においても個別最適に陥らないよう、ガバナンスを効かせる役割を担っていきます。

 もう1つの特長は、デファクトスタンダードといえるツールの採用です。基幹業務の標準システムとしては、世界中で数多くの導入実績を誇る独SAP社のERP(統合業務パッケージ)システムや独IDS Scheer 社のBPMツールを採用するなど、グローバル標準を強く意識しています。

──業務プロセス改革によって、どのような成果が期待されますか?

龍野 さまざまな成果が期待されています。1つは業務パターン数の大幅な削減です。例えば販売領域では、これまで100以上あった業務パターンを22の基本パターンとその組み合わせへと整理しました。似通った業務パターンをシンプル化したおかげで、エリア、製品、得意先など、さまざまな分析指標からグループ各社の事業状況が素早く可視化できるようになり、管理会計や意思決定のスピードアップを実現します。

 さらに業務プロセスの標準化により、内部統制上のコントロールポイント(重要管理点)も共通化されるため、監査効率が上がり、内部統制強化にも大きく貢献します。NECではこの業務プロセス改革によって、グループ全体で関連間接部門費の約20%削減を見込んでいます。

NECでは、大規模基幹システムをデータセンターに集約し、クラウド活用を自ら実践

──もう1つの柱であるITシステム改革について教えてください。

龍野 ITシステムにおけるTCO削減は多くの企業が抱えている課題です。この課題を解消するために、サーバ統合や仮想化、省エネ対策などが叫ばれていますが、こうした対策だけではTCO削減にも限界があります。重要なのは部分的な対策だけではなく、業務プロセスの見直しも含めた全社レベルでの対策です。

 NECでは、まずグループ全体における業務プロセスのシンプル化を図り、これまでグループ各社で分散運用していた基幹システムのシンプル化と統合を可能にしました。その上で、統合化した共通基盤をNECの高信頼データセンターで集中運用します。グループ各社は従来のように個別の基幹システムを所有することなく、共通のサービスとして利用することで、ハードウェアやソフトウェアの導入、システム構築や運用など、さまざまな負担から解放されます。つまりこれが、今話題の「持たざるIT」――いわゆるエンタープライズクラウドの活用を実践することにより、NECグループ全体において、最大限のTCO削減効果を発揮できるのです。

──ITシステム改革におけるその他のポイントは?

龍野 今回のITシステム改革では、クラウド活用以外にも注目すべき点があります。それは、WindowsとSQL Serverを採用した低コストでの基幹システム構築です。『WindowsとSQL Serverで、そんな大規模基幹システムが本当に実現できるのか』という、驚きの声もありましたが、マイクロソフト社と緊密な連携を図りながら高負荷テストなどを何度も繰り返し、グループ約15万人規模の基幹システムとしての堅牢性を確保しました。

──経営システム改革の実践によって、お客さまへ伝えたいことは何でしょうか?

龍野 最も強調したいのは、NEC自らが試行錯誤しながら実践した経験と、そこから得られる実績、ノウハウです。業務プロセス改革の効率的な進め方やITシステム改革における基幹システムの統合運用など、自らの実体験によって裏付けられたノウハウは、一般のコンサルティングに比べて確かな価値と説得力があります。お客さまに安心してご利用いただけるデータセンターや基幹システムのクラウド活用、そしてそれらを可能にするハードウェアやソフトウェア製品など、具体的な答を提供できるのが、NECの何よりの強みです。

 自らの実践・実証から生まれたNECのノウハウや資産は、お客さまの経営システム改革に今すぐお役立ていただけると自負しています。




※本記事は、日本電気より提供された記事を許諾を得て再構成したものです。




提供:日本電気株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エグゼクティブ編集部/掲載内容有効期限:2009年9月30日


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