(表4)からは、CIOがビジネス上の優先課題をIT部門の戦略的優先課題に転換して対応していることが分かります。この優先課題には、企業のエンタープライズ・エフェクティブネスが映し出されます。また優先課題からは、CIOの戦略が、ITの運用における基本事項からビジネス部門と連携することに進化していることが読み取れます。
CIOはこれまで、ガバナンスなどいわゆる「ITのコア領域」に焦点を当てた業務を担当してきました。それが変化しているのです。コア領域の強みを生かして、自身の役割を拡大させています。エンタープライズ・エフェクティブネスの向上に注力することで、ビジネス部門だけでなく、IT部門への期待事項にも影響を及ぼすことが可能になります。
先行きが不透明な今だからこそ、効率性だけでなく、エンタープライズ・エフェクティブネスの向上が求められています。効率は、比較的余裕のある時期に悪くなります。資金があると、精査せずに使いすぎてしまったり、実力以上の投資をしてしまうからです。
企業は今、時間はあっても資金がないという現状に直面しています。すなわち「何もできない状態」であり、効率アップとは無縁の世界にいます。表4の結果からは、そんな今だからこそ、経営の自信につながる目標達成能力であるエンタープライズ・エフェクティブネスに注力すべきだという解答が導き出せます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授