次代の経営を担うIT部門リーダーを育てる私塾(2/2 ページ)

» 2009年11月11日 14時30分 公開
[伏見学,ITmedia]
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敗因分析にこそ意義がある

 現在、内山塾は第6期目に当たる。カリキュラムについて、土台となる部分以外は毎期少しずつアレンジしているという。取材時には今回初めて取り入れた「経営シュミレーションゲーム」が実施された。これは4人1組で5チームに分かれてそれぞれにCEO、CFO(最高財務責任者)、人事、本部長、生産本部長を決め、与えられた資本金を元手に人員の採用、機械の購入、材料の仕入れなどを調整しながら資本残高を増加させていくというもの。

「もちろん最終的な資本残高が多い方が好ましいが、それよりもゲーム終了後に勝因、敗因をきちんと分析することに意義がある。ブレーンストーミングの訓練にもつながる」と内山氏は目的を話す。

 演習では各チームとも資産の増加を目指し、在庫を抱えない販売戦略や生産部門への積極的な人材投資などさまざまな事業計画を立てたが、わずかな戦略の違いで数ケ月先の資本残高が大きく変わっていった。最後の勝敗因分析では「初期に人員を雇用し過ぎたため、最後まで人件費が利益を圧迫した」「初期投資を抑え過ぎた」「最初に生産体制を増強し、途中で一気に売り切る戦略にかじを切った」といった感想が出た。受講生のプレゼンテーションの後には、内山氏から戦略の解説や改善点などが述べられた。

「今回は単純な仕入れや販売を経験するものだったが、実際の経営では比にならないほどの複雑な戦略を立て資産を運用しなくてはならない。それを支えるのがIT部門であり、賢い経営を実践するには何をすべきかを、ゲームを通じて見出してほしかった」(内山氏)

各チームごとに演習を振り返り反省点などを述べた 各チームごとに演習を振り返り反省点などを述べた

 ITmedia エグゼクティブでは現在、内山塾での取り組みをモデルにした連載「内山悟志のIT人材育成物語」を展開中である。読者の人材育成に関する悩み解決の一助となるはずだ。

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