ストレス、ウイルスに打ち勝つ2010年にエグゼクティブのためのアンチエイジング(1/2 ページ)

自分自身の免疫力と抵抗力を強める年に。過労や睡眠不足、酒の飲みすぎに注意し、体を動かし大いに笑って病気から身を守ろう。

» 2010年01月05日 08時15分 公開
[米井嘉一(同志社大学),ITmedia]

命の価値

 昨年の予測で、2009年は命、健康、心といったお金より大切なものを見い出す年でありたいと願った。実際はどうであったろうか。現在の経済状況は一言で言えばデフレである。

 デフレとは円の価値が高まり物価が下がること、インフレ(円の価値が下がり物価が上がる)の反対語である。しかし、何を基準として円の価値を決めているのか。皆さんはこの問いに正しく答えることができるだろうか?

 米本位制だった江戸時代には、米の価値によって通貨価値が決まった。金本位であれば金(gold)が基準となる。わたしも含め一般庶民には金の延べ棒など無縁なので、金が基準と言われてもピンと来ない。やはり大切なものは命や健康なのだ。

 日本は10年以上前から医療費抑制政策をとり、公的医療費は30兆円に固定された。これは日本人の健康維持のための総費用であるから、命の価値に直結している。昨今では命の価値は高まる一方なので、当然この30兆円の価値も高まる。命の値段がこの価格なら、テレビや服などもっと安くていいと考えるのが自然な流れである。これがデフレマインドである。すなわち現在のデフレは命の価値が高まった象徴と言える。

 デフレ自体は悪くないが、対外的円高やそれに伴うデフレ不況は厄介である。解決策として海外のインフレ国をまねるという手がある。国の造幣局で紙幣を印刷しまくると、結果として貨幣価値は落ちる。これをまねればインフレが生じるはずである。今よりも20%多くに紙幣を印刷して国庫に補充、税収不足分をこの紙幣で補えば円高は20%是正される。国債も発行せずに済む。ついでに言えば公的医療費を20%アップして36兆円にすれば、消費マインドは20%インフレ側にシフトするだろう。これぞ命(いのち)本位制経済の極意である。

ウイルスとストレスに立ち向かう

 次の課題はインフルエンザ。インフルエンザウイルスは感染力が強いこと、そして忍者のように姿、形を変えて免疫力の隙間をかいくぐる特徴のある厄介なウイルスだ。新型ウイルスとは言うものの、数十年前に流行したウイルスに似ているので、中高年には類似ウイルスの免疫がある。そのため免疫力が低い大学生以下の年代には2010年年頭から大流行すると予測される。

 対処する方法を考えよう。インフルエンザ大流行を抑えるにはワクチン接種が最も有効であるが、残念ながらその数が絶対的に足りない。そのため慢性疾患を抱える人、乳幼児、高齢者といった優先順位の設定が必要になる。優先枠でない人は「どんとこいウイルス野郎!」という気構えを持って、自分自身の免疫力を高めよう。わたしももちろん医療従事者枠返上だ。

 今年ストレスによるダメージを目いっぱい受けた人は正月休み期間中に十分回復させよう。これは次のストレスに立ち向かうために必要な手続きだ。過労や睡眠不足、大量飲酒は免疫力を低下させるのでこれは避けること。寝正月ばかりでなくウォーキングなどで身体を動かそう。笑いは免疫力を向上させるので大歓迎である。

 疲れがとれた人は家に引きこもるのではなく、積極的に屋外へ繰り出そう。ただし不特定多数が出入りする密室空間へのお出ましは要注意。秋には再びインフルエンザの季節が到来するので、ワクチンが不足する事態の繰り返しは避けたいものだ(ここは少し嫌な予感!)。

そしてまた、タバコの話。2009年こそはタバコ増税の年と予測、実現近しと思われた。しかし、旧政権与党内の数名の反対議員の強力な圧力にあえなく屈してしまった。わたしの調査では、これら反対議員は前回選挙で全員落選したので、今度こそタバコ増税が実現されるはずだ。民主党政権が成功するか否かの試金石と考えている。

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