ソフトボール競技のアピール活動「バック・ソフトボール」は、オリンピックの正式種目に再び認定させるためだけの活動ではありません。そのことをアジア選手権で実感しました。
昨年末はマレーシアのクアラルンプールに出張していました。12月13日から16日まで「第4回アジア女子ジュニアソフトボール選手権大会(U-19)」が行われました。2011年には南アフリカでジュニアの世界選手権が行われるので、そのアジア予選を兼ねた大会です。今回出場したのは、日本、中国、台湾、韓国、シンガポール、インドネシア、タイ、インド、イランの9カ国。わが日本女子U-19チームは圧倒的な強さで優勝を飾り、世界選手権への出場を決めました。
上野由岐子投手の力投をはじめ、北京オリンピックで金メダルを取ったソフトボールチームの見事な戦いが昨日のことのように思い出されます。チームスポーツの活躍は間違いなく日本に元気を与えてくれました。その時すでにオリンピックの正式競技から外れることが決まっていたソフトボールは、2016年のオリンピックで再び正式種目として復活させるためのアピール活動、「バック・ソフトボール」を行ってきました。
しかし、昨年10月の国際オリンピック委員会(IOC)総会では、2016年のオリンピック開催地(ブラジル・リオデジャネイロ)とともに、7人制ラグビーとゴルフが正式競技として採用されることが決定し、残念ながらソフトボール復活の夢はかないませんでした。ソフトボールがオリンピック種目から外された理由として、世界的に普及していないことが挙げられました。今回のマレーシアでは「何とか世界にソフトボールを普及させたい、あきらめずにオリンピック種目として復活させたい」というソフトボール関係者の強い思いを感じたのです。
「マレーシアにソフトボールができる場所なんてあったっけ?」――。出発前、4年前までクアラルンプールで仕事をしていた同僚の一言が気になっていました。マレーシアに到着した翌日、練習のために試合会場を訪れたわれわれは呆然としました。
グラウンドがないのです。ただの原っぱ。やはりマレーシアには野球場やソフトボール場はありませんでした。雑草を刈ったばかりと思われる原っぱのくぼんだ部分は砂で埋められており、まるでゴルフ場のバンカーのようです。周囲には、これから外野フェンスを作るための杭が扇形に打ち込まれています。
「どんな環境、どんな状況に置かれても、われわれはしっかりと日本のソフトボールをするだけだ」と苦笑いしながら檄を飛ばす渡辺和久監督。楽しいことが起こりそうな予感もしてきました。
その後、バックネットを設置したりフェンスを張ったりと、急造グラウンド作りが始まり、何とかソフトボール球場らしきものが出来上がりました。大会前日の夕方でした。
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明治学院大学 経済学部准教授