無料化するクラウドの世界、その理由と注意点戦略コンサルタントの視点(2/3 ページ)

» 2010年03月30日 16時00分 公開
[大野隆司(ローランド・ベルガー),ITmedia]

クラウドが無料でも収益が上がるモデルの登場〜予想される異業種からの参入〜

 多くの方がヤフーやグーグルなどの電子メールのアドレスをお持ちでしょう。言うまでもなくこれらは無料で提供されています。これと同様に、企業の情報システムに対しても、クラウドのそのものは無料で提供しながらも、収益を上げることが可能なモデルを整えた企業が登場してくるでしょう。これはなかなか難しいモデルに思えます。

 ただし、システム業界ではない企業、つまりシステム以外のサービスや商品で収益を上げる企業にとっては、このモデル構築はそれほど障壁が高いものではないかもしれません。このモデルでは、なるべく多くの利用企業を獲得することが必要となってきますので、提供するクラウドは汎用的な機能のものとなるでしょう。業務システム機能で例をあげれば、グループウェア、CRM、購買、各種経理処理などが考えられます。

 企業がこれらの業務システムでクラウドの利用を検討する際には、無料のクラウドが有力な候補として挙げられるようになっていくでしょう。クラウドを提供するベンダーとしても価格面での対応が必要となってきます。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆