ニュース
» 2010年07月09日 08時58分 UPDATE

生き残れない経営:高校野球女子マネジャーにも劣る経営者たち (3/3)

[増岡直二郎,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

 そして次に、マーケティングだけでは企業として成功はない、第2の機能、イノベーション、すなわち新しい満足を生み出すこと、の教えをみなみは実行に移す。

 何を捨てるか。退屈な野球の原因である「送りバンド」と「ボール球を打たせる投球術」を捨てることとする。そして、高校野球界に新しい変化をもたらそうとする。

 大企業の某エレクトロニクスメーカーのA事業部長は、ある日定例の社長への業務報告会から帰ると部下のBを呼んで、小型記憶装置のC製品について勢いよく言い渡した。

A 「Cは、もう止める。生産を止めて、お客にも納入ストップする」

B 「えっ? どうしてですか?」

A 「赤字製品は撤退しろと、社長に言われた」

B 「もう少し受注が増えれば何とかなるし、今試作中の原価低減品が立ち上がれば赤字も何とかなります」

A 「いや、急ぐんだ。社長の厳命だ」

B 「じゃあ、Cに掛かっている設計や営業などの人、経費はどうするんですか。赤字は益々大きくなりますよ」。

 Bを説得できないと思ったAは、Bの部下を口説き始めた。これは信じられないだろうが、某大企業の取締役事業部長の、捨てる戦略もなければ、次の事業の柱を立てる計画も持たない、みなみにも劣る情けない話である。

 みなみは、社会に貢献することも実行に移す。校内の他のクラブへクラブ活動活性化のノウハウを伝授したり、地域の子供野球に貢献したりする。

 こうして、みなみは次々とドラッカーの教えを実行する。途中で、ドラッカーが指摘する「成果より努力が重要である。(中略)かのごとき錯角」が頭をもたげ、甲子園を目指すという成果に疑問を持ち、「努力したからいい、努力に意味がある」という意見が出てくるが、みなみは成果に向けて、敢然と立ち向かう。

 以上に挙げた経営の実例は、極端な例かも知れない。しかし、実態を表してはいる。世の経営者よ、「もしドラ」を読んでみようではないか。いや、P. F. ドラッカーの『マネジメント』そのものを「みなみ」のごとく熟読し、理解して実行に移してはどうだろう。

著者プロフィール

masuoka_100.jpg

増岡直二郎(ますおか なおじろう)

日立製作所、八木アンテナ、八木システムエンジニアリングを経て現在、「nao IT研究所」代表。その間経営、事業企画、製造、情報システム、営業統括、保守などの部門を経験し、IT導入にも直接かかわってきた。執筆・講演・大学非常勤講師・企業指導などで活躍中。著書に「IT導入は企業を危うくする」(洋泉社)、「迫りくる受難時代を勝ち抜くSEの条件」(洋泉社)。



前のページへ 1|2|3       

Copyright© 2012 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Special

- PR -

Special

- PR -

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、企業の明日を変えるエグゼクティブのための無料の会員制サービスです。
ぜひこの機会にお申し込みください。
下記入会条件を満たされている方には、ITmedia エグゼクティブ事務局が審査の上、入会のために必要な招待状をメールでお送りいたします。

お名前
メールアドレス
貴社名
※正式名称で記入してください
ご所属名
お役職名
貴社の従業員数

Special

- PR -

お勧めコミュニティー

【CIOの条件】国際CIO学会の役員たち

3月14日に国際CIO学会の新会長に就任した。すでに再任理事、監事に新任を加えて30人ぐらいの役員であるが、その中にCIO関連などICT団体を代表する方々が入っており、友人の教授からすごい組織になりましたね、と新会長就任のお祝いとと共に、組織の拡充を言われた。

【松浦尚子のワイン&コミュニケーション】かぐわしい白い花とアンズの香りが飲む人を驚かせる白ワイン「コンドリュー」

昨晩、私が長年親しくさせてもらい、大変尊敬している外務省のSさんからお誘いをいただき、西麻布にあるフレンチレストランでITや教育、文芸などそれぞれの分野でご活躍の方々と楽しいひと時を過ごさせてもらいました。

【夏目房之介の「ほぼ与太話」】『マンガはなぜ面白いのか』中国版発行

2年ほど前から、いろんな人のご協力をえて、中国の新星出版から『マンガはなぜ面白いのか』(NHK出版)が翻訳出版されました。

節電お役立ち情報(スマートジャパン)

news093.jpg

三菱電機が建設した「大船スマートハウス」は、電気自動車の蓄電池と太陽光発電システム...

news009.jpg

後編では、具体的に見える化システムを活用した例を紹介する。見える化システムで課題を...

news134.jpg

東京都は昨年夏に企業や家庭で実施された節電の実例をもとに、基本方針とすべき「3原則」...

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆