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» 2010年09月28日 15時16分 UPDATE

Appleが証明した企業DNAの力 (1/5)

一橋大学ビジネス・スクール教授の名和高司氏は、スマート・リーンというキーワードから日本企業ならではの変革の方法論をひもとく。

[大西高弘,ITmedia]

 早稲田大学IT戦略研究所主催のエグゼクティブ・リーダーズ・フォーラム インタラクティブミーティングのテーマは「内部から変われる経営」。一橋大学ビジネス・スクール教授の名和高司氏は、スマート・リーンというキーワードから日本企業ならではの変革の方法論をひもとく。

日本に通用するやり方で限界を突破

 「内部から変われる経営」というテーマの背後にある思いとは何だろう。

 「日本企業は外圧からしか変わることはできないだろうが、もしかしたら内部から変われるのか?」「日本企業が内部から変わることは難しいが、残された道はそれしかない」

nawaphot.jpg 名和高司氏

 リーマンショック以降の景気低迷を見ていれば、そんなため息混じりのせりふしか浮かんでこないのかもしれない。

 しかし、名和高司氏は「日本企業は内部の力が爆発した時にこそ大きな変革を遂げることができる」と話す。内部からの変革こそ日本企業が元気を取り戻す原動力だというわけだ。

 名和氏は一橋大学ビジネス・スクール教授に就任する以前、マッキンゼー・アンド・カンパニーのディレクターとして20年間コンサルティングに従事してきた。「マッキンゼーは外資系の会社だったので、日本のお客様に対しても、どうしても欧米式の経営理念を説くことが多かった。しかし、それだけでは日本企業の再生に十分に寄与できるとは思えない」と名和氏は話す。

 その理由は名和氏の著書「学習優位の経営」(ダイヤモンド社刊)に次のよう書かれてある。

 「欧米の経営論によれば、収益に貢献しない資産は早めに売り飛ばして、そのキャッシュで将来性の高い資産を他社から買収することが常識です。しかしいくら大胆な資産の入れ替えを迫っても、そのような決断力と実行力を持った経営者は、残念ながら日本にはまれです」

 名和氏は、だからこそ日本に通用するやり方で限界を突破していくしかないのだと話す。例えば、人件費をレイオフなどで一気に削減できる国の経営者と日本企業の経営者はそもそも立ち位置が違う。最近は、立ち位置そのものを米国式に変えるべきなのだという議論も盛んだ。しかし欧米式の経営理論に精通し、20年間顧客にその中身を説いてきた名和氏は、「グローバルスタンダード」という“奇妙な”経営用語が使われるようになってから、日本企業は自信をなくしてしまったとする。

 では、日本企業で通用する、限界を突破できるやり方とは何なのか。名和氏はそれを「スマート・リーン」経営と呼ぶ。

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