米Gartner、2011年に注目すべきテクノロジートップ10を発表1位はクラウドコンピューティング(9/10 ページ)

» 2010年10月26日 09時59分 公開
[ITmedia]

ユビキタス・コンピューティング

 ユビキタス・コンピューティングの歴史は古く、1988年にXerox PARCのマーク・ウェイザー氏によって「コンピュータが各所に埋め込まれ利用者が意識することのないコンピューティングの世界」が提唱されたのが起源とされています。過去、ユビキタス・コンピューティングは、「1台のコンピュータを多くの人が利用する第1の波」「1台のコンピュータを1人が利用する第2の波」に続く、「1人を多くのコンピュータが取り囲む第3の波」を表現するキーワードとして説明されています。

 それが提唱された当初や、ブームとなった2000年初期には、さまざまな技術的制約や課題があり、その後、このキーワードは忘れられかけていましたが、昨今のコンピューティング性能やキャパシティの向上が、当時のビジョンを現実のものとしつつあることから、再び注目を集めつつあります。コンピュータが広く普及するとともにRFIDタグとその後継技術によって物体間の通信が可能になるのに伴い、ネットワークはこれまでの中央一元的な方法では管理しきれない規模にまで達し、さらにその先へ広がるようになります。

 この状況は、カーム・テクノロジー(利用者の意識を阻害しないテクノロジー (同じくマーク・ウェイザー氏が提唱)として実現されるのか、ITとの明示的な管理・統合として行われるのかに関係なく、オペレーショナル・テクノロジー(OT)へのITの浸透という重要なトレンドにつながります。

 さらに、このキーワードを中心とする議論では、パーソナル・デバイスの急速な広がりが何をもたらすのか、コンシューマライゼーションがITの意思決定にどのような影響を与えるのか、また1人当たりのコンピュータの数の急増に伴い人々にどのようなケイパビリティ(能力)が必要となるのかなどについての重要な指針を提供します。

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