ネットで売れる顧客心理ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/3 ページ)

» 2010年11月11日 08時15分 公開
[小川忠洋,ITmedia]
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何を試食させればいいのか?

 では、何を試食させればいいのか? 方法は簡単だ。グーグルが最近、開発したワープボックスを使えば、あなたのサイトを訪問してきた人に、ケーキの試食を直接デスクトップに届けることができる――というような事があるわけない。少なくとも2010年時点ではこんなことは不可能だ。物理的に、実現させるのはずっと不可能のままだろう。

 冗談はさておき、試食させるものは、何もこういった物理的なものではない。形態はどうあれ、試食とはあなたの持っている価値の一部を提供することをいう。そして、あなたの持っている価値というものは、何も物理的なモノだけではない。インターネットで最も価値があるものはコンテンツである。それこそが、インターネットがタダ同然で届けられるものだ。

 インターネットを徘徊している人は、僕もあなたも含め、9割以上がコンテンツを探している。商品を探す人よりも、商品の関連情報やお役立ち情報といったコンテンツを探している人が圧倒的に多い。あなたもこの記事を読んでいるのは、何か役立つ情報はないか? という目的で読んでいるはずだ。本を買おうとしているのでも、コンサルタントを探しているわけでもない。コンテンツを見ているのだ。

 つまり、あなたの商品・サービスに関連する価値あるコンテンツを作ってそれを提供すればいい。ネットではコンテンツを提供するのにかかるコストはほぼゼロなので、ネットの利点を最大限活用できることになる。(特にこの戦略は説明が必要な商品・サービスに適している。日用品などのコモディティには適していない)

自分のビジネスには合わない?

 もしかしたら、あなたはこの手法は自分のビジネスにはちょっと違うと感じるかもしれない。しかし、インターネットを戦場にしている以上、コンテンツという武器を使わないのはとても不利だ。新しい戦場が自分の商売と合わなかったからといって、今までの常識を新しいフィールドでも使おうとするのは賢い戦略とはいえない。

 地上で戦うのと空の上で戦うのでは、戦略も武器もまるで違う。新しい戦場にはそれに合わせた戦略を取る必要がある。

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