ITmedia エグゼクティブ
PR

組織内外の個人の力を集結し、人と人とのネットワークによって新たな事業価値を生み出す「パティシペーション(参加)の力」とは

「競争激化の時代において市場優位性を勝ち取るために、組織は、新しいエクスペリエンスを共有し、問題を解決し、変革を起こすために個々人の力を集結させる基盤を構築する必要がある」――現在、シスコシステムズは2010年代以降に求められる新たなビジョンとして「パティシペーション(参加)の力(Power of Participation)」を掲げている。以下では、新ビジョンが打ち出されるに至った背景や、シスコ自らの実践と先進ユーザー事例を交えながら、企業が経営とITの一体化を追求していくうえで今後求められる考え方とアクションについて探っていく。



ITの進展と相まってますます求められる変化への対応力

 今日の企業経営における最重要課題として、「変化への対応力」の強化が叫ばれて久しい。政局や法制、景気、気象、災害、そして人々の価値観や消費行動といった、不確実性の時代に並ぶさまざまな変動要因に対して、変化を的確に読み、機敏に対応していくことで自社の市場競争力を維持・向上させていくことが経営者のミッションとなっている。

 また、とどまることを知らないITの著しい進展は、新たなビジネスモデルの創出や市場への新規参入の敷居を低くしたのと同時に、各企業に対しては、さらなるスピードや俊敏性を要求することとなった。いまだに先の見えにくい経済環境の下、市場競争がさらに激化していく中で、経営者には、急速な成長と経営の効率性という背反する目標の両立が求められており、経営とITの一体化はこれまで以上に大きな、不可避のテーマとなっていくはずだ。

Cisco1.jpg シスコシステムズ合同会社 マーケティング ビジネスレラバンス担当部長の鈴木寿里氏

 シスコシステムズが、そうした時代の潮流を分析したうえで、2010年代以降の経営/ITのビジョンとして打ち出したのが「パティシペーション(参加)の力」の活用である。シスコシステムズ合同会社 マーケティング ビジネスレラバンス担当部長の鈴木寿里氏によれば、今日、特に若い世代の従業員は、Web 2.0技術を駆使したソーシャル・ネットワーキングや、本格普及期を迎えたスマートフォンやタブレット・デバイス用のコミュニケーション・ツールなど、彼らが日常生活で慣れ親しんでいる新世代のITサービスを、ビジネス・シーンにおいても有効に活用したいと考えている。この点について、鈴木氏は次のように指摘する。

 「ITコンシューマライゼーションの進展は、誰もが、どこからでも、いつでもイノベーションに関わる事ができる可能性を世に示すこととなりました。こうしたオープンなイノベーションの戦略的活用はビジネスにおいても重要性を増しつつあり、組織が、さまざまな資質、才能、情報を持った個々人をビジネスに効果的に“参加”させることが、企業にとっての新たな競争優位になりつつあります」

インターネット技術の変遷と組織にもたらされた影響

 パティシペーション(参加)の力が勢いを持つに至るまで、IT、なかでもインターネット技術の進展は、組織の在り方にどのような影響を与えてきたのだろうか。その変遷を、シスコシステムズは、1990年代からの10年代ごとに到来した3つの波を挙げて、図1のようにまとめている。

cisco2.jpg インターネットの変遷と組織への影響

 1990年代の第1の波は「コネクション」で、「トランザクションの変革期」に相当する。インターネットの民間利用の黎明期にあたるこの時代に、B2B/B2Cといったe-コマースのパラダイムが確立されたのは周知のとおりだ。インターネットという過去にないインパクトをもった技術の登場が生んだコネクションの波は、Windows 95に始まるPCの爆発的な普及と軌を一にしており、従業員個々人の生産性向上や、昨今注目度が増しているセルフサービス型ITの基礎が培われていった。

 続く2000年代に訪れた第2の波は「人を関与させる」という意味での「インクルージョン」で、この時期に起きた変革をシスコは「インタラクションの変革」と位置付けている。ITエンジニアや専門家などのアーリーアダプター層から利用が広まったソーシャル・ネットワーキングやブログなどのWeb 2.0系技術は、インターネットの利用スタイルを、文字どおりインターネットの第2章として進化させた。また、この時代に本格化したITコンシューマライゼーションにより人々の行動様式が変化したため、旧来の組織との間でアンマッチが生じ、CIOをはじめとする経営陣は企業におけるIT活用の在り方を再考する必要に迫られることとなった。

 そうした変遷を経て到来した第3の波がパティシペーション(参加)であり、先行した個人の行動様式の変革に追いつくために組織変革が起こり、組織全体としての生産性が高度化される時期と位置付けられる。

 Web2.0に代表されるIT機能の組織的活用によって個人の能力を最大限発揮させるこの時期の組織形態をシスコではダイナミック ネットワーク組織(DNO)と呼んでいる。シスコではDNOを「時間や場所、文化や言語の障壁を廃し、グローバルに存在する事業機会を逃さず、組織の目標に向かってダイナミックに形を変え、行動する仮想的な組織」と定義している。

 従来の組織の枠を超え、必要に応じて部門横断的なチームを作り、そのチームに意思決定の権限を委譲してビジネスの課題を解決し、新たな事業機会を追求するDNOにおいては、組織や物理的な距離、時差などを超えて意思疎通を図るコミュニケーション技術が重要な意味を持つ。ダイナミック ネットワーク組織(DNO)を実現するコミュニケーション技術の特徴として、鈴木氏は(1) 文字、音声、画像、動画などの複合媒体及び多様な接続端末への対応、(2)クラウド・コンピューティング/仮想化技術の活用、(3)セキュアでオープンなシステムアクセスの3つを挙げている。

 そしてこのDNOでは、組織内外の個人が効果的にビジネスに参加する事が可能となり、イノベーションとオペレーション効率の両立をはじめ、次のように一見相反するビジネス目標の両立が可能になる。

  • 俊敏性と経済性: 事業機会となる市場の変化を逃さない俊敏性を持つ一方で、オペレーションのコストを最低限に抑える
  • 個別対応と多数への対応: 個々の顧客のニーズにきめ細かに応えつつ、膨大な数の顧客をビジネスの対象とする
  • オープン性と管理性:パートナーや顧客など、組織の外の人々を巻き込んだオープンな環境でイノベーションを実現しながら、セキュリティー、ポリシー等はしっかり守る

 このように、DNOを実現する事で、組織はこれまで二者択一と考えられてきたビジネス目標をどちらも犠牲にすることなく追及し、新たな競争優位を得る事ができるようになる。

 鈴木氏は、「ダイナミック ネットワーク組織(DNO)を実現することにより、組織は人々のビジネスに対する参加の形態を変革し、イノベーションとオペレーショナル・エクセレンスの両立による新たな価値創造が可能になる」と説明。ここで言う「人々」とは、従業員に加えて、パートナー企業や顧客が含まれ、「彼らとより多くの接点を持ち、個々人の貢献をビジネスのあらゆる側面で活用することこそが、パティシペーション(参加)の力になる」(同氏)という。

「パティシペーション(参加)の力」活用の実際――シスコの社内事例と日米の先進ユーザー事例

 パティシペーション(参加)の力の活用を推進していく上で前提となるのは、上述のダイナミック ネットワーク組織(DNO)とそれを支えるIT基盤である。シスコの場合は、ボーダレスネットワーク、データセンタ/仮想化、コラボレーションという3つのアーキテクチャで分類された製品/サービスのポートフォリオでそれにこたえるという構えだ。組織は、この基盤を確立してはじめて、個々人の参加を促し、前述の1〜3に示した一見対立する課題の両立をそれぞれ可能にしていくことが実現される、というのがシスコのシナリオである(図2)。

cisco3.jpg シスコのテクノロジーアークテクチャが「参加」の形態を変え、一見対立する目標の両立を可能にする

 では、この「パティシペーション(参加)の力」の活用、そしてダイナミック ネットワーク組織の確立を、具体的にどのようなアクションをもって推し進めていけばよいのか。シスコはまず自らの実践、すなわち社内事例でそれを示している。図3は、1〜3の課題のそれぞれにおける同社のグローバルでの取り組みをまとめたものだ。

cisco4.jpg シスコにおける「パティシペーション(参加)の力」の活用

 一方、既にパティシペーション(参加)の力の活用という新しいビジョンを理解し、先進コミュニケーション技術を取り入れて経営革新を進めている先進企業もすでに存在する。

 その1社で、世界有数の一般消費財メーカーとして知られるプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、グローバル・ネットワークを軸とする、拠点間でのシームレスなコラボレーション環境を実現している。同環境の下、P&Gでは、約7000人の社内研究員に加えて、この分野では150万人規模といわれる世界各国の外部研究者に参加を呼びかけることで、日々イノベーションの創出に取り組んでいるという。そして、同社のコラボレーション環境の具現化に大きく貢献したのがシスコのテレプレゼンス・システムの導入であり、同システムはP&Gにおけるコミュニケーションや会議の在り方を一変させ、ビジネスの俊敏性や意思決定のスピードを高めることに成功したという。

 日本国内においては、製薬大手の武田薬品工業が2009年7月に、シスコのテレプレゼンス・システムの導入およびグローバル・ネットワーク基盤の刷新を敢行し、2000年代より推進してきたグローバル戦略のさらなる強化を図っている。現在、日本、米国、欧州の合計5拠点で利用されている、大画面・高精細ディスプレイによるビデオ会議システムは、経営の迅速な意思決定や重要拠点・子会社との密接なコミュニケーションを可能にしたのに加え、出張回数の減少による生産性の向上、移動・宿泊コストの大幅な削減も達成された。拠点の壁を越えた従業員の“参加”がもたらす力を実感した武田薬品工業は、現在、グローバル・ネットワークのさらなる拡大を計画している。

 「パティシペーション(参加)の力の活用はすでに始まっています。先見性のある組織は、従業員、パートナー、顧客をはじめとする人材がビジネスのさまざまな局面へ参加する事を促し、効果を生み出しています」(鈴木氏)

 競争の激しい今日の経済環境下においては、人材こそが最も戦略的に重要な資源であり、“参加”によってその価値を最大化していくというのがシスコの新しいビジョンである。また、同社が同ビジョンを具現化するビジネスおよびITソリューションとして、製品/サービスのポートフォリオを整えているのも上述したとおりだ。パティシペーション(参加)の力の活用は、CIOをはじめとする、経営とITの一体化に携わる組織のリーダーにとって注目に値する、名も実も伴ったビジョンであると評価できよう。


提供:シスコシステムズ合同会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エグゼクティブ編集部/掲載内容有効期限:2010年12月17日