あなたの職場の「困った人」の見抜き方と対処法ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/3 ページ)

» 2010年11月25日 13時49分 公開
[井上和幸,ITmedia]
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「オフィスの風見鶏」はオープンコミュニケーションで退治しろ

 「聞き上手」は誰からも愛される存在です。人の話を、うん、うんとすべて受け止めて、励ましてくれる。「その通りだね」「分かるよその気持ち」「僕もそう思うよ」などと、こちらの気持ちを全て肯定してくれ、味方になってくれる。特に、一対一で話をするなら、これほどいい話相手はいません。話しているうちに、ついつい相談ごとをしたり、愚痴をこぼしたりしてしまいたくなるものです。しかし、彼らのような「聞き上手」のなかには、危険人物も含まれています。

 それは、すべての人にいい顔をしないと気が済まない「風見鶏」タイプの人間。相手に取り入ることで好かれよう、認められようとする、困った人たちです。彼らの何が問題かといえば、彼らはいつか「人を裏切る」運命にあるから。

 利害関係のあるAさん、Bさん、Cさんの全員に対して、「僕もそう思うよ」ではつじつまがあいません。誰か一人の味方をする限り、そのほか二人の意見とはズレてしまうのは仕方がないこと。しかし、それでも風見鶏タイプは、Aさんは正しい、Bさんの味方です、Cさんは間違ってないなどと、うそにうそを重ねていくのです。やがてそれが破綻し、裏切り行為が発覚するというわけです。

 さらにいえば、彼らは「目の前の相手に同調する」というコミュニケーションのスタイルしか持っていないのです。したがって、「同調されたい」人を探し回る。端的にいえば、それは「弱っている人」です。例えば、成果が挙がらず悩んでいる女の子を見つけては、「大丈夫だよ」「がんばってるね」と懐柔する。

 言い換えれば、彼らの行動には軸がありません。いつも他人に同調しているだけで、自ら行動を起こすことができないのです。良い/悪い、好き/嫌い、正しい/間違っているといった判断基準もありませんから、物事を動かすことができません。時に部下から嫌われることも恐れてはいけないリーダー職には、まったく向かないタイプです。

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