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» 2010年12月08日 15時48分 UPDATE

高まるグローバルM&Aのニーズ――アビームM&Aの岡社長

国内の人口減少による市場縮小が見込まれる中、企業の成長を占う経営手法としてM&Aがこれまで以上に注目を集めている。

[聞き手:怒賀新也,ITmedia]

 国内の人口減少による市場縮小が見込まれる中、企業の成長を占う経営手法としてM&Aがこれまで以上に注目を集めている。国内企業同士の合併による規模拡大はもちろん、米国や中国などの企業を買収することで、新たな成長軌道を描こうと躍起になっている企業も多い。ここに来て緩んできたものの、円高傾向も、日本企業が海外企業を買収する上での追い風になっている。

 日本企業にとって、M&Aの持つ意味合いはどんなものなのか。アビーム傘下で、M&Aを専門とするコンサルティング企業であるアビームM&Aコンサルティングの岡俊子代表に話を聞いた。

oka.jpg アビームM&Aコンサルティングの岡俊子代表

ITmedia 最近の日本企業によるM&Aに関する動きについて教えてください。

 最近は、日本企業が海外企業を買収するケースが増えています。中国企業を対象にしたM&A案件も増えてきました。以前は、製造業企業がよりコストの低い製造体制の構築を目指して、グリーンフィールドで進出するケースが多かったのですが、現在は、中国の経済成長に伴う所得水準を見込んで、市場として中国をとらえる企業が増えています。特に、アパレルや食料品を含む流通分野の企業が挙げられます。

 中国市場については、これまでも多くの日本企業が進出していますが、失敗し撤退するケースも増えています。日本企業の中国進出に関しては、次のステージに入っているといえます。失敗した日本企業の共通点は、日本でのやり方をそのまま中国に持ち込もうとした点です。いかに、現地に根付いたオペレーションを実践できるかが課題になると考えます。またグローバル人材の育成も鍵を握ります。欧米ほどヘッドハントを活用しない日本企業は、社内でグローバル人材を育成しなければいけないわけですが、まだ十分には育っていません。

 一方で、中国企業が日本企業を買収する案件も、件数としてはまだそれほど多くありませんが、ここ数年増加しています。中国企業による日本企業買収は、国民感情など繊細な問題がありますが、これまでは日本の再生企業に中国企業がスポンサーとして入るケースが多く、大きな政治問題に発展している例はあまりありません。

ITmedia 注目している事例や企業などはありますか?

 (買収企業であった英社の人間が経営トップである)日本板硝子や、2月に、中国系企業が株式の過半数を取得したと発表した(経営再建中だった)本間ゴルフなどに注目しました。日本企業のグローバル化を促進するために社内公用語を英語にした企業も出てきていますが、多くの日本企業は実際にはそこまではできないと考えています。各国法人の経営トップ層は英語が公用語になるでしょうが、現場については、各国とも通常のローカル組織として運営する方法も一つです。

ITmedia 2010年に印象に残った自社プロジェクトを挙げてください。

 パナソニックと三洋電機の経営統合です。われわれは三洋電機の支援をしました。大企業同士のM&Aでは、独占禁止法などが絡み、複雑化することも多いです。日本の電機業界は市場に対してプレーヤーが多く、今後も統合の余地があります。

ITmedia M&Aビジネスを手掛けるおもしろさは何ですか?

 M&Aは「総合格闘技」であることです。経営、マーケティング、財務、人事組織などさまざまな要素が絡まっており、常に新しいことを勉強していなくてはなりません。その分、大変ですが、とてもチャレンジングです。

ITmedia 2011年に取り組みたいことは何でしょうか?

 海外市場を開拓したいと考えています。海外と日本国内の人員バランスを検討する必要がありますが、来年度はさらに積極的に海外でビジネスを拡大していきたいと考えております。



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