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» 2011年01月24日 08時00分 UPDATE

ベストチームとは何か:チーム名は“笑う正直者”――システム・コーチングの現場〜その3 (1/2)

前回のセッションから約1カ月が経ち、「チーム笑う正直者」とのチームコーチングがこれから始まる。

[島村剛,森川有理(CRRジャパン),ITmedia]

 第1回目のセッションで決めた「笑顔であいさつ運動」にはいつの間にか派遣社員も加わり、チーム全体に広がりを見せているそうだ。部内の他チームからは「なんだか最近チームの雰囲気が変わったね」とコメントされることが増えてきているという。また、第2回目のセッションで決まった「オフサイト定期ミーティング&飲み会」は、毎週の実施とまではいかないが、既に2回のミーティングがもたれ、飲み会の席でメンバー各自の人物像が徐々に明かされた結果、チーム内の親密度が上がっているようだ。

チームリーダーDさん

 「まじめな話を軽くできるっていいですね。最近ではざっくばらんに話せる雰囲気になってきました。ま、このチームならまだまだ行けると思っていますがね」

メンバーEさん

 「いやー、Fさんの学生時代の話には驚きましたよ。まさかそんなに熱い人だとは知りませんでしたから」

メンバーFさん

 「そういうEさんだって、大した冒険野郎じゃないですか。そうそう、Gさんが選んでくれたのがいい店でね。こう見えてGさんはおしゃれなんですよ」

メンバーGさん

 「同期に教えてもらったんです。ミーティングでは普段はしないような話ができて楽しかったです」

 コーチは、チーム全体に明るさと親密さが漂っていることを伝えると、チームにも納得感があるようだった。チームの肯定性が上昇してきているのは明らかな成果だが、まだ現場での協力関係は起きていないようだ。「経営計画の現実化」という本来のテーマに対しては、具体的には進んでおらず、誰が何をするのかがあいまいなままになっているからだ。

 そこでコーチは、今回のセッションでチーム内での役割を明らかにし、チームの構造をひも解いていくことにした。

 まず外的な役割に焦点を当てた。外的役割とは、社長、財務責任者、秘書、といったような職務のことで、チームの仕事が円滑に進むためには、明確な外的役割が必要となる。「チーム笑う正直者」にとって、このプロセスは比較的シンプルだった。それぞれ自分が社内組織図の中でどこに位置し、どのような役職を担っているかを確認した。

チームリーダーDさん:課長兼チームリーダー

メンバーEさん:商品E担当

メンバーFさん:商品F担当

メンバーGさん:商品G担当

 それぞれの外的役割は明確で、特に混乱や問題はないことが確認された。

 続いてチームは内的な役割の洗い出しへと進んだ。内的役割とは、実際の職務とは関係がなく、チームの感情的なニーズや機能を特定の人が引き受けることで生まれる役割だ。コーチがメンバーと「チーム笑う正直者」における内的役割の洗い出しを進めていくと、面白い事実が明らかになった。

チームリーダーDさん

企画者、率先者、推進者、決断者、励ます人、叱咤激励する人、教育者、部長の相談相手、まとめ役、イベントの発起人、父親役、そのほか多数。

メンバーEさん

観察者、コメントする人、なだめる人、やさしい人

メンバーFさん

反対する人、まぜる人、厳しい人

メンバーGさん

従順な人、「手足」となって動く人

 誰の目からも、チームリーダーDさんが担っている内的役割が極端に多いことは明らかだった。この結果を見て、チームリーダーDさんはいらだちの感情を隠せない。

Dさん

 「結局、いつも最後は全部自分が担わなくては、このチームは動かないんです。チームリーダーなので自分がやるのは仕方がないのでしょうが、メンバーがもっと自分と同じように考えて動いてくれたらどんなにいいかと思いますよ」

 Dさんの本音を聴いて、チームメンバーはショックを受けたように沈黙が続く。

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