ソーシャル! ソーシャル! ソーシャル! Lotus Notesは20年前からソーシャルだった!?Lotusphere 2011 Orlando Report(3/3 ページ)

» 2011年02月01日 14時04分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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PlayBookを売り込むRIMのバルシリー氏

 Lotus Dominoとデータの同期を図るためのツールとして同社は「Lotus Notes Traveler」を提供しているが、iPhone/iPadやAndroid端末でも使えるようにしたほか、それらの主要なモバイルデバイス向けに新たなLotus Sametimeクライアントや、ソーシャルメディアの情報をアグリゲートするためのActivity Streams標準対応クライアントを開発することも明らかにしている。

 セキュリティの堅牢さから企業市場では圧倒的な強みを発揮し、Lotusにとっては長年の盟友であるResearch in Motionも、iPhone/iPadやAndroid端末の攻勢にその座が揺らぎかねない。3月に出荷が始まるタブレット型の「RIM PlayBook」を携え、共同CEOであるジム・バルシリー氏が自らオープニングのジェネラルセッションに乗り込み、「われわれは世界175カ国で暗号化されたセキュアなサービスを展開している」と一日の長がある同社のBlackBerryやパワフルなPlayBookを売り込んだ。

 昨年のLotusphereで披露されたWebベースのオフィススイート、「Project Concord」も今回、「LotusLive Symphony」として正式発表されている。現在テクノロジープレビューが入手可能なLotusLive Symphonyは、無償のオフィススイートであるLotus Symphonyのクラウドサービスといえるもので、LotusLiveと緊密に統合されているのが特徴だ。これにより、社内・社外を超えたチームで単に共同編集できるだけでなく、リアルタイムで編集したり、編集が完了したあとで共有したり、あるいはセクション単位で担当者に割り当てたり、きめ細かなコラボレーションが可能となるという。正式版の出荷は今年後半となる。

次期Notesではソーシャルメディアも統合

 また、Notesクライアントの次期バージョン、「Notes NEXT」(バージョンナンバーは直前まで未定)も年内から2012年初めの出荷を目指して開発が進められている。最大の特徴は、Activity Streams標準に対応し、旧来の受信ボックスの様相が大きく様変わりすることだ。Atomフィードを拡張したActivity Streamsによって、Twitter、LinkedIn、FacebookといったソーシャルメディアコンテントやSAPのような基幹業務のデータも1カ所に統合し、扱うことができるようになるという。

 サーバサイドであるDominoにも大きな隠し玉が用意されていた。IBMでは電子メールの機能を除いたライセンスとして「Domino Utility Server」を2002年から提供してきたが、今年のLotusphereではそのクラウドバージョンとして「Domino Utility Server for LotusLive」を発表した。従量制のほか、既存ライセンスを移行できたり、開発ライセンスなど、柔軟なライセンスモデルを用意するという。これにより、企業はオンプレミスのDominoアプリケーションを必要に応じてクラウドに移し、LotusLiveと組み合わせることでより柔軟なコラボレーション基盤へと段階的に移行できるようになる。

 なお、IBMでは将来、ソーシャルの活用がビジネスの成否を分けるとみており、21世紀の起業家やリーダーを育成する立場にある3万人以上の教授(世界の6000大学)を対象にソーシャルソフトウェアに関するカリキュラムを無償で実施するほか、今回のLotusphereにもフロリダ州の10の大学から500人を超える学生を招待し、新たなスキルとして求められるだろうソーシャルのビジネス活用を学び、ディスカッションする機会を提供している。

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