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» 2011年02月16日 08時00分 UPDATE

NTTDATA Innovation Conference 2011レポート:急ピッチでグローバル対応している――NTTデータ山下社長

主催者講演を務めたNTTデータの山下徹社長は「日本企業におけるIT投資は現状、81%が既存システムの維持に費やされ、極端に新規向けが少ないという課題がある」と指摘した上で、同社の製品やサービス提供の方向性を示した。

[ITmedia]
nttdatayamashi.jpg NTTデータの山下徹社長

 NTTデータは1月28日、年次ユーザーカンファレンス「イノベーションカンファレンス 2011」を都内のホテルで開催した。主催者講演を務めたNTTデータの山下徹社長は「日本企業におけるIT投資は現状、81%が既存システムの維持に費やされ、極端に新規向けが少ないという課題がある」と指摘した上で、同社の製品やサービス提供の方向性を示した。

 山下氏は、調査会社のITRが実施した「IT投資に対する重要度」調査を取り上げ、ユーザー企業が「IT基盤の統合・再構築」を最重要項目として掲げていると指摘した。続いたのが「仮想化技術の導入」「法令対応・内部統制強化」だった。

 「われわれはアプリケーションの再編を含めた基盤システムの統合・再編を効率的に行うための、技術開発に取り組んでいる」(山下氏)

nttdata1.jpg NTTデータの山下氏が提示した調査データ

 この中で、NTTデータが今後特に注力する分野として、クラウドコンピューティングを挙げている。具体的には、いわゆるパブリッククラウドやプライベートクラウドは「BizXaaS」や「Lindacloud」としてサービスを提供する。似た事業を運営する特定の企業群によって運営するコミュニティーで共同運用するデータセンターの共同利用などの形態である「コミュニティクラウド」のサービスも併せて提供する考えだ。

nttdata2.jpg システムの統合・再構築に向けたNTTデータの取り組み

 一方、山下社長は、ビジネスの外部環境の大きな変化として、市場のグローバル化も挙げる。

 「成長市場へビジネスチャンスを求めて、日本からグローバルへ経営リソースが分散していくことで、もはや企業における国の概念が無くなりつつある」という。欧米や新興国に本部機能を分散化する傾向がある中で、情報システムの在り方も変わってくると考えるのが自然だ。

 「常に経営の中枢を担う“日本本社”という感覚は薄れつつある」

 山下氏は幾つかの具体例を紹介した。

 それによれば、三井物産はアジア地域に本社の総合職社員を大幅に移管。2012年までに100人強を異動させ、現地駐在員を約640人と2割増強するという。現地社員を増やすと同時に、事業開拓の即戦力として本社人員を派遣としている。

 また、大和証券キャピタル・マーケッツは香港を第二本社として位置付け、2011年度末までにアジア地域の人員を倍増する。2010年度中にアジアを含む海外拠点の資本も倍増させることを決定。アジアビジネスの大幅強化により同地域を「マザー・マーケット」とすることを目指す。

 ユーザー企業のこうした動きに対応し、NTTデータもグローバル対応へと大幅にかじを切る。

 「中央集権的な本社の指揮命令ではなく、グローバルに分散したファンクションの効果を最大化する全体経営を考えていくことが、グローバル経営において重要なポイントとなる」(山下氏)

 生産、調達、企画、販売、研究開発といった企業としての中枢機能を、それぞれ最適なロケーションに配置し、グローバル経営を強力に進める。一方、NTTデータのサービスを利用する企業にとっては「ITにマーケットの境界線は存在しない」ことをアピールする。

 「情報連携にあたり、サーバは世界中のどこにあってもいい」(同氏)

 NTTデータは1月、米ITサービスのKeaneの子会社化について発表。これにより、30カ国128都市、約2万1000人体制を確立した。急ピッチのグローバル対応により、成長するアジア市場を含め、世界全体を収益源にする準備が着直と進んでいる。

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