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» 2011年04月25日 07時00分 UPDATE

Gartner Column:日本とグローバルではITにおける注力分野に違いがあるが、その本質は何か? (1/3)

前回は、CIOサーベイ2011のグローバルベースの結果で話をしました。今回は、国内のCIOの回答をグローバルと比べながら、特徴的な面を見ていきたいと思います。

[小西一有(ガートナー ジャパン),ITmedia]

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 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震において、被災された方々のご無事と亡くなられたかたがたへのご冥福を心からお祈り申し上げます。そして、被災地が一刻も早く復興されることを祈念しております。


 前回は、CIOサーベイ2011のグローバルベースの結果で話をしました。今回は、国内のCIOの回答をグローバルと比べながら、特徴的な面を見ていきたいと思います。本サーベイは、グローバルで2014人のCIOからの回答をまとめました。そのうち、76人が日本からの回答でした。この日本のCIOのIT予算合計は、1兆8000億円強に上ります。さまざまな業種の皆さまに、回答し難い質問も多かったと思いますが、ご協力いただきありがとうございます。

日本のビジネス戦略に成長重視という新たな傾向が

 早速、前回の「CIOへのビジネス面からの期待事項」に、日本のCIOが回答したランキングを追加してみましょう。それが、表1です。グローバルと日本の第1位から第5位までが順位の入れ替わりが多少あるものの、全く同じ項目がランクインしました。この傾向は、経営トップやビジネス・エグゼクティブからCIOへの期待事項が、グローバルと日本とに差異が無いことを意味しています。

 昨今でも、日本企業のITは、グローバルに比べて遅れているとか遅れていないとか、いろいろな人がそれぞれの立場で意見を言っていますが、この結果からは、少なくともCIOに期待されていることについては、日本も世界も変わらないことが分かります。直観的には、経営トップやビジネス・エグゼクティブのCIOやITに対しての期待のほどが、グローバルに追いついたという感覚が正しいでしょうか。つまり、グローバルと同様に、日本のCIOに対しても「ビジネス成長」を経営トップやビジネス・エグゼクティブが期待しているということです。

hyo1590.jpg 表1(出典:ガートナー 2011年3月)

 それでは、これらの「ビジネス成長」という期待を受けて、CIO自身はどんな戦略を打ち出すでしょうか。表2で日本とグローバルの上位5位までを比較してみましょう。日本の第2位が「IT組織を再編成する(ITスタッフの確保・定着)」となっています。グローバルでも第6位ですから、優先順位は決して低いわけではありませんが、緊急度が日本の方がより高いと見てとれます。日本では、IT要員の確保・定着が困難なことは、大変残念なことながら新3K(「きつい」「厳しい」「帰れない」だとか)職場とやゆされることからも定説となりつつあります。そして、これら3Kの条件を打破するために、多くの企業や団体で取組みがなされていることも事実です。

 このことについて、ガートナーの海外のアナリストに、海外の事情はどうか?と尋ねたことがあります。そのアナリストが言うには、「欧米各国でも、似たような状況(ITの仕事は上述の3K)と言える。しかし、企業のIT要員やIT業界で働きたいという人材が少ないわけではない。ITの仕事をする人は、他の仕事よりも尊敬されているからだ。」と言っていました。なるほど、少なくとも、嫌われている仕事ではないようです。では、日本人は、楽をしてお金が貰える仕事を選ぶ傾向にあるのか?と考えらるということでしょうか。

hyo2590.jpg 表2(出典:ガートナー 2011年3月)
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