バラバラな職場を1つにまとめ、結果を出すための「結束力の強化書」ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2011年08月04日 07時00分 公開
[ITmedia]
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結束力は、結果を変える

 なんのために組織があるのか。なんのために結束するのか。なんのためにみんなで助け合うのか。それを、一言で述べてみます。結果を変えるためです。今の時代、小さな組織が大きな組織に対抗するためには、結束力が必要です。結束力が、メンバーをまとめて相乗効果を生み出し、「結果を変える」のです。

 結果を変えるとは、1人ではできないことを、チームで成し遂げること。より高い目標、難しい目標にチームプレーで挑戦し続けることです。「このままでは目標を達成できない」と思ったとき、不安を克服して一歩前に踏み出すとき、つまり、結果をより良いものへと変える原動力として、結束力を育てていく必要があるのです。

 結束力を高めて、結果を変えて行く過程を見て行くと、“第1段階”でメンバーの気持ちがまとまる段階があります。“第2段階”はメンバーで助け合えるようになる段階があります。そして、“第3段階”では、各自が役割を最大限に発揮し工夫していくようになって、はじめて結果を変えていくことができるようになります。

 この実践する過程から生まれたメソッドが「バインディング・アプローチ」です。ここで   言うバィンディングとは、リーダーとメンバー、メンバーとメンバー同士が主体的に組み合うことを意味しています。

 では、メンバーが組み合うためには、何に働きかければいいのでしょうか? 3万時間のコンサルティングを実践する中で、わたしは、働きかける4つの柱を発見しました。

 第1の柱は、“共通の目標”です。この柱は、チーム、組織で達成したい目指す目標です。この目標の本質は、メンバーが真剣になれる「組織のありたい姿」になっているかということなのです。これをしっかりと定めること。また必要ならば変更、修正を加えることも大切です。

 第2の柱は、“やらないこと”です。この柱は、共通目標へ向かう道筋を決めるときに、自分たちがやらないことを先に決めておくことです。やらないことを決めることで、職場のベクトルが合わせやすくなり、ヒト・モノ・カネの資源配分がしやすくなります。結果、組織に速さを創り込んでいけるようになれます。

 第3の柱は、“信頼関係”です。この柱は、結束力の基本です。コミニケーションの取り方ひとつ、リーダーの態度や言葉のひとつでも信頼が高まりますし、反対に信頼が失われてしまうこともあります。とても重要な関係です。信頼関係は、長所を見つけて激励し合える関係です。

 第4の柱は、“助け合えるフォーメーション”です。この柱は、結束力を育てて、広げて行く時の形です。信頼関係ができている職場では、メンバーがお互いに自分の長所を生かして、貢献し、やがて、メンバー同士、またはリーダーとメンバーの間で助け合えるようになります。

 壁を乗り越えるときに、どのような助け合う動きがつくれるか。どのようなフォーメーションを組めるか。そこを考え実践していくことで結束力が高まり、結果を変えていけるのです。多少の困難にぶっかっても、結束力は失われることはありません。むしろ、困難に直面することで、メンバーの新たな能力が引き出され、信頼関係が深まり、結束力が高まることが増えて行くのです。

 結束力は一本調子で高まって強固になるわけではありません。どのような目標に向かっているか、どのようなメンバーが集まっているか、どのようなリーダーか、どんな困難に直面するかによって、結束力が高まることもあれば、逆にささいなことから乱れてしまうこともあります。

 結束力を生み出し、強化していくだけでなく、維持するための具体的な行動につなげる方法も本書には、書き下ろしてあります。今度出版した「結束力の強化書」では、どんなメンバーでも取り組めるように、「バインディング・アプローチ」によって結束力を生み出し、育てて、強くしていくための基本を解説しています。その中には、今すぐできるメソッドだけを厳選してまとめました。結束力UPの「共通の目標」「やらないこと」「信頼関係」「助け合えるフォーメーション」という4本柱を常に意識して、働きかけることで、バラバラな職場を1つにまとめて、結果を変えることができるようになるのです。

著者プロフィール:荻阪哲雄(おぎさか てつお)

株式会社 チェンジ・アーティスト 代表取締役社長。職場結束力コンサルタント。

1963年、浅草生まれ。警視庁勤務時、硬直化した体質に疑問を持ち、組織変革コンサルタントを志す。退庁後、ビジネスをゼロから学ぶためにベンチャー企業へ転職、新規法人営業に従事して、1年後、全国でトップの営業成績を収めて、顧客中心の組織づくりを探求する。その後、一橋大学・山城章名誉教授の経営研究所へ、プロジェクトマネジャーに転身。OD(組織開発)理論を習得、上場企業300社で働きかけの修業を経て、1994年、組織風土改革コンサルティングファーム、スコラ・コンサルトの創業期に参画。2004年、スコラの風土改革No.1コンサルタントとして活躍後、パートナーに就任。クライアント企業のコンサルティングリピート率は、50%を越えることが少ない業界で90%に達する。2007年、組織の結束力を高める独自メソッドを確立して、チェンジ・アーティスト社を設立する。現在は、結束力UPのコンサルタントとして、コンサルティングと講演で全国を飛び回っている。


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