明日から使える! 忙しいリーダーのための「ノマド」生活のすすめビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

» 2011年08月18日 07時00分 公開
[上田 渉,ITmedia]
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オーディオブック活用のすすめ

 ノマド仕事術は、忙しい人であればある程、導入する価値のある仕事術です。なぜなら、いつでもどこでも仕事ができるということは、ちょっとしたスキマ時間を有効活用して創造的な時間に変えることができるからです。その一方で、スキマ時間を情報のインプットに使うことができるツールもあります。それが、オーディオブックです。

 オーディオブックは耳から情報を入れるがゆえの利便性を持っています。それが、スキマの時間の活用です。例えば、車の運転中、満員電車の中、ランニング中、営業で歩いている時間といった、目と手を使っているが耳が空いている時間は、実は暇な時間としてわたしたちは感じています。

 普通は、そうした時間に音楽を聴くか、何もせずにぼーっとしている人が多いのですが、そうした時間にオーディオブックで耳から情報を入れることが可能になります。現在オーディオブックは、ビジネス書のベストセラーを中心に7000タイトルほどがあるため、耳から勉強しようと考える人にとっては十分な環境がそろってきているのです。

 わたしの場合、メールや事務処理はルーチンワークの時間に近いため、オーディオブックを聞きながら仕事をすることがあります。デザイナーやSEでも、わたしと同じように作業しながら聴く方がいるようです。

 オーディオブックには、音だからこその3つのメリットがあります。まず、耳から学んだ方が理解が早いということ。実は人間は、もともと言葉を音から学び、後から文字を学んでいます。赤ちゃんは最初は言葉を耳から覚えて口から「ママ」というような言葉を発するようになり、文字を学ぶのは幼稚園からです。そうした経緯から、人間は本を読むときには、まず頭の中で文字を音に変換しそれを言葉として認識しています。しかし、オーディオブックであれば、はじめから音になっているので理解しやすいのです。

 次に、何度聴いても疲れないということ。文章は何回も読むと疲れてしまいますが、音声は何回聞いても疲れません。目は筋肉を使っているために疲れますが、耳は受動的に音を聞き脳で処理するだけなので、目よりもはるかに疲れにくいのです。しかも、聴けば聴くほど頭に入りますので、何回も聴くことによるメリットが大きいのです。

 最後に、倍速で聴くことで読書時間を短縮できるということです。人間の聴覚は器用にできており、朗読するスピードが倍になる程度であれば、即座に理解できるようになります。従って、新書1冊の朗読が4時間程度の場合、2時間で1冊聴けるようになるのです。すなわち、本を読むのが遅い人でも、倍速にするだけで、本が読むのが早い人と同じスピードで本が読めるようになるということなのです。

 最近ではビジネス書著者の方も、効果的な読書法としてオーディオブックの利用を挙げています。忙しい今の時代だからこそ、皆さんの時間をこうしたノマド仕事術の実践によって有効活用し、成果に結びつけてもらえると嬉しく思います。

著者プロフィール:上田 渉(うえだ わたる)

株式会社オトバンク代表取締役社長。1980年神奈川生まれ。

私立名門中学に入学したが、勉強する意味を見出せずに挫折し、落ちこぼれる。受験時の偏差値は30、教師にも見捨てられたが、耳を活用した勉強法を駆使し、東京大学に合格。緑内障で失明した祖父の影響で、目の不自由な人のためになる仕事に就きたいと強く思うようになり、自身が受験時代に活用した音声学習をヒントにオーディオブックを想起、オトバンクを創業する。現在では、日本最大のオーディオブック事業者および書籍PR のプロフェッショナルとして拡大を続けている。著書に「脳が良くなる耳勉強法」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、「勉強革命! 」(マガジンハウス)、「ノマド出張仕事術」(実業之日本社)がある。


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