現状を打破する創造力を養う方法海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点(3/3 ページ)

» 2011年11月01日 08時00分 公開
[エグゼクティブブックサマリー,ITmedia]
エグゼクティブブックサマリー
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 問題が明確になったら、次に、それを解決させよう(創造力を皆でつけていこう)という意識を全員にもたせなければなりません。そのためには頭をつかうことも体を使うこともさまざまな事を試してみることも必要ですね。

ステップ3:発掘する

 新しいアイディアを全て自分で生み出す必要はありません。実際、そうすることは無意味なことです。なぜなら、世界はすでに過剰なアイディアで溢れかえっているからです。ですので、アイディアを生み出すのではなく、アイディアを発掘してください。世界と自分のクリエイティブなプロジェクトを異なる視点で見ることは、アイディアを発掘するために重要なことです。意識的に異なる視点で物事を見るようにすることから始めてください。例えば、エンジニア、詩人、あるいはビジュアル・アーティストになったつもりで問題を検証してみましょう。また、ブレーンストーミングを行う際は、参加者に役割を与えてください。

 例えば、投資会社であるシトリン・グループは、新しいアイディアの創出を促すために、「反対者」という役割を作っています。この人の役目は同社のCEOの意見に反対することです。これによって、ディベートが生まれ、CEOのアイディアが詳しく検証されやすくなっています。

 インテル社のアンディ・グローブは、「屈折ポイント」でのチャンスに気をつけるよう助言しています。屈折ポイントとは、トレンドが方向性を変えるタイミングのことであり、業界や社会はその後に続きます。トレンドを追い、2つ以上のトレンドが交錯する場所を見つけてください。新しアイディアを発掘するには、「アイディアを借りるテクニック」を使いましょう。これは、他の分野を調べ、そこで効果を発揮しているものを借り、自分のプロジェクトに取り入れることです。例えば、サメとピラニアの歯と顎を模して、新しいツールを作った会社があります。

 新しいアイディアを発掘するもう一つの手段は、パターンを借りることです。例えば、ジャズ演奏者のデイブ・ブルーベックが有名な「テイク・ファイブ」という曲の中で都市騒音を使用したり、第二次世界大戦中に空軍戦略家が野鳥から飛行パターンを拝借したりしたように、あらゆるものからパターンを借りることができます。ただし、自分が使用している物やサービスにストレスを感じるようになる瞬間に気をつけてください。

 その場合、他の人も同じようにストレスを感じます。また、もし問題のせいで行き詰まってしまったら、その問題をひっくり返してみてください。

 例えば、任天堂はウィーでこの手法を使いました。ソニーやマイクロソフトがゲームのグラフィックの向上に多額の資金を費やしている中、任天堂は取り組む問題を変えました。ウィーのゲームのサウンドやグラフィックは競合相手に劣るものでしたが、全体的なゲームの質は他社の物より優れていることが証明されています。このように問題をひっくり返すには、「Xをする代わりに、Yをしたらどうなるだろう?」といった、代替案を問いかける質問を投げかけてください。

 アイデアを生み出すのではなく「発掘する」という発想は素晴らしいです。何か核となることを見つけてそれを発展させていくという考えになると思います。ブレーンストーミングもそうですし、マインドマップなども大きな手助けになるかもしれません。さまざまなツールを使って行くのもよいでしょう。自身に一番あった物を使うことがポイントになります。

著者紹介

ジョシュ・リンクナーは、デトロイト・ベンチャー・パートナー社のCEOです。また、イープライズ社を創設し、同社の会長を務めています。


プロフィール:鬼塚俊宏ストラテジィエレメント社長

鬼塚俊宏氏

経営コンサルタント(ビジネスモデルコンサルタント・セールスコピーライター)。経営コンサルタントとして、上場企業から個人プロフェッショナルまで、420社以上(1400案件以上)の企業経営を支援。特に集客モデルの構築とビジネスモデルプロデュースを得意とする。またセールスコピーライターという肩書も持ち、そのライティングスキルを生かしたマーケティング施策は、多くの企業を「高収益企業」へと変貌させてきた。


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