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» 2011年11月17日 08時00分 UPDATE

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:想いを伝える、言葉がけの習慣 (1/2)

リーダーが熱く語りかけているだろうか。会社の理念や目的を皆で共有しているだろうか。1日のうち大半の時間を過ごしている職場は、毎日ワクワクするような場所だろうか。実践しているリッツカールトンの強さの秘密がここにある。

[高野 登,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


 わたしがお付き合いがある企業で「うちは、新入社員研修は行わない」というところはありません。それぞれに、カリキュラムを工夫して取り組んでいます。ところが夏頃になると、人事研修の担当者から、新入社員の再教育と研修の相談を受けることが多いのです。

takanobook.jpg 『リッツ・カールトン 一瞬で心が通う「言葉がけ」の習慣』

 担当者の悩みやジレンマは、こんな言葉に表れています。

 「恥ずかしい話なんですが、新人達は入社した当初はすごくモチベーションが高いのに、なぜか3カ月程でみんな一様に低くなってしまうのです。中だるみにしては早すぎます。ここら辺で一度喝を入れて、モチベーションを高めたいと思っているのです。何とか研修プログラムを組んでもらう訳にはいきませんか。」

 どうでしょう。経営者やリーダーの皆さんには、なんとなく思い当る節もあるのではないでしょうか。

 わたしの友人に、銀行から電通に転職した異色の企画マンがいます。ある時彼がこんな興味深いことを言っていました。

 「銀行員は、入行して最初の4年くらいは、みなそれぞれに個性的ないい表情で仕事をしているんですよ。ところが、5年目を過ぎた頃からみんな同じ顔つき、表情になってしまう。これは見事なくらい、どの銀行でも同じ。そしてね、そんな表情にならない僕みたいな変な奴は、さっさと転職していくの(笑)」。

 まさか、すべての銀行マンがそうだとは思えません。しかしこのコメントには何がしかの真実が込められていることも確かだと思いました。

 先の人事担当者、そしてこの友人のコメントを聞いて考えてみました。

 まず、社員のモチベーションについてです。入社当初はモチベーションが高い。しかし、3カ月くらいで急激に下がってしまう。果たしてそれは事実でしょうか。

 わたしがリッツ・カールトンで働いていた時に実感したこと。それは、新入社員にモチベーションは無いということです。

 そもそも、モチベーションとは何か。

 それは、会社の理念や哲学を先輩や上司と共有し、共感し、そして仕事を通して実践するときに生まれるものです。さらに自分の所属する組織、会社が世の中にどんな価値を生み出しているのかを理解すること。組織のひとりとして自分ができることは何か、それを自分のこととして理解し、達成する喜び、感謝される喜びを実感して初めて生まれてくるものです。

 入社したての新人に、そんなモチベーションがある道理がない。これが、リッツ・カールトン時代にわたしが出した結論です。

 ならば「一生懸命、頑張ります!」「リッツ・カールトンの一員として全力で働きます!」というあの元気さは一体何なのか。あれは単に「テンション」が高いだけ(笑)。もちろんテンションはとても大事です。初めから低いテンションで「ほかに行くところが無いので、しばらくお世話になります」なんてことでは困ってしまいます。

鉄は熱いうちに打て

 では新人のテンションが高い間に、会社がすべきことは何か。鉄は熱いうちに打たなくてはならない。熱いうちにすべきことは何か。それがまさに「モチベーションの種まき」なのだと思うのです。

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