戦略を実行する第3ステップ――組織の人材を分析する戦略が確実に実行され、業績が上がる組織の動かし方(2/2 ページ)

» 2011年12月19日 08時00分 公開
[細川馨(ビジネスコーチ),ITmedia]
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モチベーションとスキルの関係

 チームを作る際に、「モチベーション」と「スキル」ということについて知っておく必要がある。組織にいるメンバーをモチベーションとスキルの観点からマトリックスに記し、組織全体の人材分布を明らかにすると有効である。

 モチベーションとスキルの高さの度合いは、リーダーの主観で判断しても構わない。ただし、作成したマトリックスをリーダーの右腕や信頼できる人に見せ、フィードバックをもらうと、より深い分析ができることもある。

 指標のイメージは次のとおりである。

A:「モチベーションが高い」とは

1、成果思考である

2、失敗を恐れず、常に前進するチャレンジ精神を持っている

3、自分があまり得意としない業務でも、前向きに取り組む

4、自発的に業務に取り組む など

B:「スキルが高い」とは

1、コミュニケーション能力が高い

2、専門的な業務知識を持っている

3、アイデアを形にすることができる

4、正確性がある

5、成果を出すまでのスピードが速い など

人材マトリックス

 第1象限の人はスキルも高く、モチベーションも高い人である。ここに属する人たちは自分で考え動けるので、適宜承認したり、ほめてあげたりして、やる気を保ってあげるとよいだろう。

 第2象限の人は、モチベーションは高いものの、スキルは低い人なので、やり方やテクニックを具体的に話す必要がある。

 第3象限の人は、スキルは高いがモチベーションは低い人で、評論家のようなタイプとも言える。この部類の人たちには、実行する意義をしつこいくらいに何度も話すことが重要である。

 第4象限の人は、モチベーションも低く、スキルも低い人である。こういうことをやってほしい、と細かく伝え、手本を見せて行動させることである。そして、できたら少し大げさなくらいにほめて、モチベーションを上げてあげることである。

 大切なのは、リーダーが定期的にフォローアップすることである。実行するのにやはり人はカギになる。

 今回は戦略を実行する第3ステップとして組織の人材を分析するということについて話した。次回は戦略を実行する第4ステップとして、ミッション、ビジョンについて話す。


著者プロフィール

細川馨(ほそかわ かおる)

ビジネスコーチ株式会社代表取締役

外資系生命保険入社。支社長、支社開発室長などを経て、2003年にプロコーチとして独立。2005年に当社を設立し、代表取締役に就任。コーチングを勤務先の保険会社に導入し、独自の営業システムを構築、業績を著しく伸ばす。業績を必ず伸ばす「コンサルティングコーチング」を独自のスタイルとし、現在大企業管理職への研修、企業のコーポレートコーチとして活躍。日経ビジネスアソシエ、日経ベンチャー、東商新聞連載。世界ビジネスコーチ協会資格検定委員会委員、CFP認定者、早稲田大学ビジネス情報アカデミー講師。



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