37歳の常識――部下を叱る技術知って、できて、当たり前!?

自分のため、部下のため、会社のため――あなたは何のために部下を叱るのだろうか?

» 2012年04月23日 12時00分 公開
[ITmedia]

連載「知って、できて、当たり前!? 37歳の常識」について

 37歳は35+2歳なのか、40−3歳なのか?――連載「知って、できて、当たり前!? 37歳の常識」は、40代以降を充実して生きるための100個のルールをまとめた書籍「あたりまえだけどなかなかできない 37歳からのルール」の一部を加筆・修正し、許可を得て掲載しています。


 あなたは部下をちゃんと叱れているだろうか。

 世の中には、部下を叱っているつもりで、実は怒っているだけの人が少なくない。叱ることの目的を忘れて、自分の感情をむき出しにしているにすぎないのだ。怒鳴り散らした結果、社内の雰囲気が悪くなり、ときには部下が精神的に病んでしまうことまで起きている。それは叱っているとは言えない。叱るためには、叱る目的を忘れてはいけないのだ。

 叱る場合も褒める場合と同様に、あるいはそれ以上に部下を観察している必要がある。今回起きた問題は、部下が全面的に悪いのか、それ以外の要因があるのか、それとも客先側の事情なのか、といったことをきちんと見極める必要がある。

 もし、そんな時間的猶予などないのであれば、本人にきちんと事情を聞く必要がある。そのときは、もちろん感情的になってはいけない。焦っている部下に上司が感情的に質問したら萎縮してしまう。そうなると本当のことが分かりづらくなってしまう。

 部下を叱る前に考えないといけないのは、現在どういう状態であるかだ。部下が把握している状態を聞き出すことが先決であれば、叱るよりも聞き出すことに注力しなくてはならない。もし、それがすでに終わっていて、部下がいきさつを報告にきたのであれば、丁寧に叱ってあげることが必要だ。この「叱ってあげる」ことが、なかなかできていない。

 叱ることは部下のためであり、ひいては部門や会社のためになる。そう考えながら叱ることが必要だ。部下に真剣に向き合って叱る。そして、今後はどうすべきなのかを悟らせてあげることが必要だ。「今度からはこうしろ」と指示してしまっては、その部下は自分で考えて行動しなくなってしまう。部下に考えさせる叱り方でなくてはならないのだ。

 最近多いのは、パソコンに向かいながら部下を叱るケース。これは非常に良くない。部下から見れば、自分の方を見ないで、ついでに叱っている感じがする。自分と向き合ってくれていないように感じるのだ。それでは、部下は本気で反省をしないだろうし、今後どうすれば防げるのか、などといったことに考えは及ばないだろう。

 部下と正面から向き合い、目を見ながらしっかり叱る。目を見ていれば、相手が理解できているのか、あるいは戸惑っているのかが分かる。

 部下は、本気で叱ろう。

あたりまえだけどなかなかできない 37歳からのルール

あたりまえだけどなかなかできない 37歳からのルール

大木豊成著

明日香出版社

1470円(税込み)

40歳を目前にした世代が、悩んだり困ったりしていることに対して、人生経験豊富な著者がアドバイスする。ソフトバンクグループで培った仕事術の他、家族、キャリアなどについて、100項目で指南する。


関連キーワード

上司 | 常識 | 感情 | 仕事術


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆