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» 2012年09月13日 08時00分 UPDATE

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:「出る杭」活躍必須の激変環境 (1/2)

今となっては「既存」のことも、どこかでは「新規」だった。新しいことは、成功が約束されているわけではないが、どこかで勇気を持って実行しなければ生まれない。「新しい」が生まれる組織とは。

[ルース・ジャーマン・白石,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


 1988年の12月1日に、日本語もビジネスも何も分からない状態でリクルートに入社しました。チアリーダーの経験があるので比較的声が大きいほうですが、リクルートの人達の元気にはかないません。振り返ってみれば、入社当時の同僚は良い意味の「出る杭」ばかりで、24年後の今ではその元気とパイオニア精神を生かしながら各業界で大活躍している人が多くいます。

出る杭だらけの社内に「変な外人」登場。 

 恵まれた環境で日本企業に就職できて本当にラッキーでした。そして、江副さんがわたしの採用に踏み切ったのもチェンジメーカー(変革を起こせる人)だらけのリクルートに「外の人」を加えることでさらなるチェンジを起こそうとしたためだと思います。現在では江副さんの発想だった、新しい時代を見事に捉え、世界競争と激変時代においてチェンジメーカーの採用と活用が企業の人材採用における必須条件になったと言っても過言ではありません。

「外」に顔を向ける今

120913book.jpg 「日本が世界に誇れる33のこと」

 内需で確保できる売り上げが停滞、今まで海外の消費者や取引先を相手にしなかった会社でも海外に顔を向け、グローバル化という大きなチャレンジに直面し、生き残りに必死です。その中、江副さんが各社員に求めた「自ら機会を創りだし、機会によって自らを変えよ 」という姿勢が今もなお、企業の未来を左右するほどの重要な当事者意識を表しています。

 わたしからみると、日本に個性的な優れた能力を所持する人が多く、この人々が未来を創造できる潜在人力であると思います。チェンジメーカーをどのように育成し能力を発揮してもらうかが重要課題の一つで、わたしも新規事業立ち上げや起業の経験でチェンジメーカーとさまざまな形で接してきました。チェンジメーカーの「本気」を見出せる企業環境やリーダーシップを築き上げ、その力を商品開発や企業戦略に応用できるようになれば、日本企業が世界レベルの競争に勝てることを確信しています。

 考えてみれば、現在の固定概念と常識には原点があり、どれも最初は「機会」にすぎなかった。習慣的な意識として「自ら機会を創りだし、機会によって自らを変えよ 」を実現する企業風土がどのように育つか。「出る杭的なチェンジメーカー」が活躍できかつ高く評価される組織には何が必要か?

「YUUKI」を徹底し、世界に向かっていく

 日本のビジネス界で日々挑戦する「出る杭」のわたし自身が、メンバーの立場からもリーダーの立場からも長い経験を通して学んだのは、チェンジメーカーが育ち、活躍してもらうには「勇気付け」が絶対条件であることです。

 そうです。部下や同僚を励まし、「出る杭」能力を発揮できる勇気を付けるのです。リーダーとしてそういうことを気使ううちに社員がのびのびと企業の機会を創造し、その機会のためにのびのびと自らを進化させていきます。

 さて、「勇気」をどのように付けるのかは誰でも悩むテーマですが、勇気付けられ、勇気付けてきた身からすると、主なポイントをローマ字表記のYUUKIで説明できることに気付いたのです。

 Y=Yes(歓迎)、U=Understand(理解)、U=Unique(特別)、K=Knowledge(知識)、I=Innovation(進化)。

 まず、変革を起こす、チェンジメーカー能力は誰にでも存在します。常識や既存ルールに疑問を持つことがチェンジの原点となります。当然のことですが、会社に対する不満の対象は主に「規定」やルールとなります。しかし残念なことに「不満」がチェンジのキッカケに結びつかないケースが多く、不満のままで心に抑え込んでしまいます。疑問や不満は「自らチェンジを起こす」ためのとても大事なチャンスだと思います。その意識を育てるにはリーダーからのYUUKI付けが必要です。

 今の規定を導入したのは何かの問題を改善するための手段だったとすれば、リーダーが「不満」や疑問をむしろ生かしてしまえばいいのです。メンバーの不満を既存の規定や固定概念を破り全体改善を図る原動力に変えるための仕掛けに利用するのです。仕掛けの発端は「Yes」の姿勢となります。「不満歓迎」という「Yes」な姿勢を示します。

 お客様からのアンケートなどが改善点を探すためのものであるように、一人ひとりの社員が不満に思うことを適切な場で言えるような風土があれば、不満がいつのまにか改善案やヒントに生まれ変わります。リーダーが組織や仕事などに対しての不満を歓迎するようになるとパッションあるチェンジメーカー社員が大きく貢献するようになります。大きな成果は小さな変化の積み重ねであり、細かい案が蓄積する組織ができると力が増します。

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