お気に入りのクラッシックの曲を持つ服装は政治だ

米国には「ドレスフォーサクセス」という言葉があります。おしゃれのためではなく、成功するために装う。そう、まさに服装は政治なのです。

» 2012年09月28日 08時00分 公開
[大里千春,ITmedia]
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 クラシック音楽と聞いてどのようなイメージを持つでしょうか。

さっそくですがクイズです。

Q1:著名な作曲家の名前です。AとBを結んでください。

A:

(1)フレデリック

(2)フランツ

(3)ヴォルフガング・アマデウス

(4)ヨハン・セバスチャン

(5)セルゲイ

B:

(1)バッハ

(2)ラフマニノフ

(3)リスト

(4)ショパン

(5)モーツアルト


Q2:誰の作曲でしょう? AとBを結んでください。

A:

(1)白鳥の湖

(2)新世界より

(3)パリのアメリカ人

(4)ワルキューレの騎行

(5)田園

B:

(1)ジョージ・ガーシュイン

(2)リヒャルト・ワーグナー

(3)ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン

(4)ピョートル・チャイコフスキー

(5)アントニン・ドヴォルザーク


 「優れたリーダーが実践するイメージチェンジ成功法」の本の中で、現状を把握するアセスメントとして、教養部門に「クラッシック音楽に親しんでいる」を入れました。欧米の人と一緒になる時、このクラッシック音楽の基本的知識があるとコミュニケーションが取りやすくなると感じることが多いからです。

 人々にとってクラッシック音楽が何か特別なものではなく、日本より身近な位置にあると感じます。お掃除しながらハミングしている曲がウィンナーワルツだったり、カルメンだったり。大事な友達のようにお気に入りの1曲、またお気に入りの作曲家を持っている人もとても多いようです。そして、「あ、フレデリック・ショパンね」とか「リヒャルト・シュトラウスの」といった風にフルネームで名前がでてきます。わたしはこれに最初とても驚きました。よっぽど通なのかしら、と思ったものですがこれはかなり一般的でした。

 よく考えれば、日本でも滝廉太郎さんは、滝廉太郎とフルネームで呼んで、滝とは言いません。音楽家でなくとも、作家、歴史上の有名人物、有名政治家などフルネームで呼ぶことが多いのと同じなのでしょう。日本だとチャイコフスキーと言われると、まあ大概一人しか思い浮かばないのですが、同じ姓の人が何人もいる国ではフルネームで呼ぶのは考えれば当たり前のこと。そういう話題になった時、こちらもフルネームで言ってあげると相手にとっては違和感がないかもしれません。

 NYで、普段はほとんどクラッシックは聴かないし、オペラにも行ったことがないという日本人の友人と、メトロポリタンオペラハウスに行きました。小沢征爾さん指揮の「スペードの女王」で一般的にそんなに知られたオペラではない上、その友人にとってもちろん初めて聴く音楽ばかりでした。

 これが本当に美しかったのです。あの広いメトロポリタンオペラハウスに、たった一人の、それもピアニッシモ(ごく弱い)の声が響きます。その細い天からの一筋の光のような声は、もちろんホールの一番端の席の人にも届くのです。それはそれは美しく、心にある琴の弦がピンと弾かれ、深い所にどんどん音楽が入っていきます。耳と心の耳と両方で染み入るように聴きました。

 今でもこれを書くとあの時の、ここは天国かと思うような体験が蘇ってため息がでます。一緒に行った彼にとっても忘れられない体験だったようです。終わった後も音楽の酔いからさめず、2人ともしばらく無言でした。知ってるとか知らないとかではなく、本当に素晴らしいものは理屈抜きで人の心を打つのでしょう。幕間で飲むシャンパン、集まっている人々の雰囲気、空気感、すべてを含めて一つの芸術です。

 日本では詳しい人はものすごく詳しく、知らない人は全く縁がないというクラッシック音楽の世界。こんなに長い間、国も時間も超えて多くの人の心を打つのには、やはりそこに何かがあります。これからスタートしようと思ったら、まずはひっくり返るほどの超一流の演奏会に足を運んでみるのはどうでしょうか。

 それと映画「オーケストラ!」はお薦めです。まさに今回話した、理屈ではなく心を打つ、という体験ができます。アハハと笑って、哀しくて、美しくて、ブラボー、と大声で叫びたくなります。生きていることに感謝したくなります。

※クイズの答え:

Q1:(1)フレデリック・ショパン、(2)フランツ・リスト、(3)ヴォルフガング・アマデウス・モーツアルト、(4)ヨハン・セバスチャン・バッハ、(5)セルゲイ・ラフマニノフ

Q2:(1)白鳥の湖:ピョートル・チャイコフスキー、(2)新世界より:アントニン・ドヴォルザーク、(3)パリのアメリカ人:ジョージ・ガーシュイン、(4)ワルキューレの騎行:リヒャルト・ワーグナー、(5)田園:ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン

著者プロフィール

大里千春(Chiharu Ohsato)

イメージストラテジスト。エグゼクティブコーチ。

4歳からピアノを始める。そのまま音楽の道に進み、講師としてのべ2000人以上の生徒への教育の実績を積む。コーチングに出合い、音楽のキャリアに終止符を打ち独立。自らの体験から人生が大きく変わるきっかけとなった、コーチングとイメージストラテジングをその職業に選ぶ。ニューヨークにてイメージ関係のスキルを幅広く学び、ICF国際コーチ連盟ACC認定コーチ、AICI国際イメージコンサルタント協会認定イメージコンサルタントの資格を取得。

主にエグゼクティブを対象にパーソナルコーチング、組織内の関係性をデザインするリレーションシップコーチング、またイメージ戦略コンサルティング、セミナーを行うことにより、ビジネスでの成功を導いている。人が自分自身の深い部分とつながり、誇りを取り戻し大きな力で限界を超えていく姿に、コーチ、イメージストラテジストとしてサポートができることに限りない喜びを感じている。著書「優れたリーダーが実践するイメージチェンジ成功法」日本経済新聞出版社。


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