ソニー、5年ぶり最終黒字に 13年度テレビ事業黒字転換へ

ソニーの2012年度は5年ぶりに最終黒字に転換。だが本業のエレクトロニクス部門で赤字が続いており、今年度はテレビの黒字化などで1000億円の利益計上を目指す。

» 2013年05月09日 22時24分 公開
[ITmedia]

 ソニーが5月9日発表した2012年度(13年3月期)の連結決算(米国会計基準)は、最終損益が430億円の黒字(前期は4566億円の赤字)となり、5年ぶりに黒字転換した。今期はテレビ事業の黒字化を見込むなど、エレクトロニクス事業の収益化を図る。(関連記事:「PS4は軽いビジネスモデル」──ソニーのゲーム事業、ローンチ初年度も黒字確保へ

 売上高は4.7%増の6兆8008億円、営業利益は2301億円(前期は672億円の赤字)、税引き前利益は2456億円(同831億円の赤字)。

photo セグメント別売上高・営業利益=決算説明会資料より

 黒字転換は果たしたものの、堅調な金融事業、エンターテインメント事業や米本社ビル売却など資産整理による効果も大きく、携帯電話事業を含む「モバイル・プロダクツ&コミュニケーション」部門は972億円の営業赤字、テレビ事業などを含む「ホームエンタテインメント&サウンド」」部門は843億円の営業赤字と、本業のエレクトロニクス5分野は1344億円の赤字を計上している。

 今期の連結売上高は10.3%増の7兆5000億円と予想。円安効果や、レンズ交換式一眼カメラ、プレイステーション 4、スマートフォン、テレビの販売増などで大幅な増収を見込む。前期の資産売却益の反動はあるものの、増収効果で営業益は前年並みの2300億円になるとの見通しだ。

photo テレビ事業の計画

 エレクトロニクス5分野では1000億円の黒字を計上したい考え。カギとなるのはテレビとスマートフォンで、テレビは高画質・高音質の追及やモバイルとの連携などを図り、前年度から250万台増の1600万台を見込む。パネル調達コストの削減などで赤字圧縮は進んでいるとし、10期ぶりの黒字化を目指す。スマートフォンも販売台数拡大で損益改善を見込んでいる。

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