JR東日本、Suicaデータの社外提供について詳細を公表 希望者は提供データから除外も

JR東日本がSuicaデータの社外提供について詳細を公表。事前の説明がなかったことについて謝罪し、希望者はデータ提供から除外できるようにする。

» 2013年07月25日 17時56分 公開
[ITmedia]

 JR東日本は7月25日、社外提供するSuica利用データの取り扱いについて公表した。日立製作所が同データを利用して行う解析サービスについて、プライバシー面の不安や「事前の説明・同意が不足しているのでは」といった批判の声が上がっていたのを受けたもので、JR東日本は「大変なご心配をおかけした」と謝罪。希望者はデータ提供から除外できるようにする。

 JR東日本によると、日立に提供するのは「Suicaでの乗降駅、利用日時、鉄道利用額、生年月、性別およびSuicaID番号を他の形式に変換した識別番号」からなるSuica利用データ。

photo データ提供の流れ=ニュースリリースより

 SuicaID番号はSuicaに割り振られたユニークな番号で、Suica裏面の「JE」から始まる文字列。同社によると、提供データからは元のSuicaID番号に復元できないようにしており、利用者の氏名や連絡先とひも付けることができまないという。また特定のSuicaのデータを長期にわたって追跡できないようにしているという。契約でも、同番号を他のデータとひも付けたり、提供データから個人を特定する行為は厳格に禁止しているとしている。

 日立は同データを分析し、各駅の利用状況をまとめたリポートを作成して顧客に提供する。設定した基準以下の集計結果は数値表示やグラフ化を行わないなど、「個人の行動を特定できないよう、お客さまのプライバシーに配慮しております」という。

 利用者からは事前に説明がないことへの批判が相次いでいたが、「日立に提供しているデータは個人を特定することができない情報であることから、提供について約款などへの記載や個別の許諾をいただいておりませんが、法令の趣旨にのっとりお客さまのプライバシーに配慮して取り扱っております」と説明。利用者向けのQ&A(PDF)も公開した。

 7月26日から、希望する利用者のデータを社外提供分から除外できるようにする。9月25日までに要望があった場合、既に提供した過去のデータも除外したものに差し替える。受け付けは専用アドレス宛ての電子メールか電話で行う。詳細は同社の資料(PDF)で。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆