連載
» 2014年01月22日 08時00分 UPDATE

社員が自律的に成長し続ける組織の創り方:将来を期待できる vs できない職場 その分かれ目は? (1/2)

若手社員が求めているものにフィードバックがあるという。上司は伝えていると思っているが、実際届いていなければ意味はない。まずはこのギャップから埋めてみてはいかがだろうか。

[上林周平(シェイク),ITmedia]

 「職場での育成」に関して4種類の支援から見た調査結果をもとに、「社員が自律的に成長し続ける組織の創り方」と題した連載。今回は、挑戦をうながす「ストレッチ支援」、内省をうながす「キヅキ支援」、技術的な支援である「アドバイス支援」、精神的な支援である「ハゲマシ支援」の支援状況と、能力向上実感や未来への成長期待との関連性を中心に、自信が持て将来を期待できる職場とそうでない職場の違いについてまとめていく。

自分の未来が明るいと答える人がたった25%しかいない

 皆さんは、自分の未来が明るいかと問われるとどう答えるだろうか。

 2012年に弊社で1〜15年目の1038人の社会人に対して、仕事に関する調査したところ「自分のこれからの未来が"明るい"と感じますか?」という質問に対して、Yesと答えた人が25.4%しかいなかった。社会人になって数年の人たちが、自分の未来に対して期待していないという実態が浮き彫りになった。育成プログラムで出会う若手社員も、「自分には無理」や「このくらいでいいや」というような諦めを持っている人が多い。現状の自分に自信が持てないために未来を見ることができなかったり、自分が働いている環境に期待ができなくなっている。このような自信の無さや働く環境に対する期待ができない人がいる中で、職場での対応は、どうしていくべきなのか。

自信を持つために、成長しているという手ごたえが重要

 「最近、出来なかったことが出来るようになったと感じることがある」という質問に対して、皆さんのメンバーはYesと答えるだろうか。一つひとつ成長しているという手ごたえが自信につながる。この成長しているという実感をメンバーが持てているかどうかが大事なポイントだ。

 弊社では、100部署以上の職場実態を調査したが、上記質問に対して全メンバーが「成長を実感している」というように100点だと答える部署もあれば、部署の平均がどちらとも言えない50点だと答える部署もある。職場によって差は大きい。さらに細かく見ると、例えば、同じ会社の複数の営業部署や同じ会社の複数の店舗運営の部署のように、同じような仕事内容であったとしても、部署によって結果に差が出てくる。仕事をする上で何かを経験しているのだから、成長しているはずなのだが、当人たちの感覚はさまざまなのである。では、その差はどのようなところから生まれるのか。

能力向上実感を得られやすい周りからの支援とは何か

 「職場での育成」に関する4種類計32の支援の実施状況と、先ほどの「最近、出来なかったことが出来るようになったと感じることがある」という回答に関連性があるかどうかを見ると、以下のような結果になる。上位の支援をよく行っている部署は、相対的に能力向上実感を得られやすいという結果だ。

1位:積み重ねの重要性を説く(キヅキ支援)

2位:事実に基づいて褒める(キヅキ支援)

3位:評価している能力を伝える(ストレッチ支援)

4位:周囲の期待を伝える(ストレッチ支援)

5位:失敗から学ばせる(ストレッチ支援)

 「今の成功や失敗も将来の自分につながる」いうような積み重ねの重要性を伝え、良い点を褒め、評価している能力や期待をきちんと伝えることが、能力向上の実感につながっている。

 育成プログラムで出会う若手社員も、終了後などに個別でフィードバックを求めてくる人が多い。また、育成プログラムの中で、上司からの「期待」や「評価している点」を手紙という形で渡すと、非常に喜んだり、涙ぐむ若手社員もいる。皆、自分自身が現状どうなのかというフィードバックを欲しているのだ。

 しかし、マネジャーにそのことを伝えると「評価面談などで伝えている」という答えが返ってくることが多い。しかし実態は、マネジャーは伝えているつもりだが、メンバーには届いていないのだ。

 日本生産性本部が2011年に調査した「職場のコミュニケーションに関する意識調査」では、課長の約9割は「部下を理解できている」と答えるが、一般社員の約4割は「上司は私を理解していない」と答えている。同様に、課長の約9割は「部下の話を聞いている」に対して、一般社員の約3割は「上司は私の話をあまり聞かない」と答え、課長の約9割は「部下を褒めている」に対して、一般社員の約半数は「上司は褒めない」と答えている。上司と部下の間にギャップがあるのだ。

 「伝えているつもり」と「伝わっている」は違う。このギャップをしっかりと埋めている部署は、能力向上実感で高いスコアが出ている。大事なことは伝わっているかどうかなのだ。

未来への期待のためには、この職場でこれからも成長できると思えているかどうか

 「これからこの職場で、自分が満足できるほど成長できると感じている」という質問に対して、皆さんのメンバーはYesと答えるだろうか。Noと答えるとするならば、この部署や会社から離れたいと思っている可能性もあるだろう。先ほどの、100部署以上の職場実態を調査において、上記質問に対して、全メンバーが「成長を期待できる」というように部署の平均が100点満点中95.0点である部署もあれば、部署の平均が16.7点である部署もある。能力向上実感以上に、職場によっての差が大きい。常にまだ成長できると期待させられるかどうかは、メンバーを育てていく上で非常に大事なポイントなのだが、それができていない部署も多い。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

ピックアップコンテンツ

- PR -
世界基準と日本品質を極める Clients First with Innovation & Japan Quality

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆