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» 2014年10月09日 08時00分 UPDATE

Gartner Column:「ガートナー・トラベル・ガイド」──未来のデジタル世界(ファースト・デジタル・ディケイド)の歩き方 (1/3)

このトラベル・ガイドでは「10年後のデジタル世界」を単なる旅の目的地としてではなく、体験し、住みつくための全く新しい場所として案内している。この旅を満喫してほしい。

[小西一有(ガートナー ジャパン),ITmedia]

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 未知なるところを旅するのは、楽しいものだ。しかし、思わぬ危険に出会うかもしれないので勇気の要る行動でもある。必要以上に迷わず、旅の楽しさを満喫するためにも、役立つトラベル・ガイドがあれば安心だ。未知なるデジタル世界を歩まなければならない皆さまに、この旅を満喫していただくために、「ガートナー・トラベル・ガイド」を作成した。このGartner Column で、このトラベル・ガイドの最初の章をご紹介したい。

ガートナー・トラベル・ガイドのご紹介

 このトラベル・ガイドは、「10 年後のデジタル世界(ファースト・デジタル・ディケイド)」に皆さまをお連れするためのものである。このガイドには、本テーマに関するガートナーの調査結果と見解、そして、30人以上の先見的リーダーの洞察と経験が凝縮されている。ここで言う先見的リーダーには、CIOのほか、ビジネス・ストラテジスト、大学教授、執筆家、未来学者などのCIO以外の人が、ほぼ半々で含まれている。

 「10年後のデジタル世界」という地の近年の歴史、文化、制度への扉を開きつつ、デジタルな未来がどのような意味を持つかを皆さまが考え、話し合えるようにしたいと考えている。また、旅行計画を立て、この地での経験を楽しみ、ここから多くのものを得られるようにするための実践的なアドバイスも提供する。このトラベル・ガイドでは、未来に関して一切の予測を行っていない。どちらかと言えば、ビジネスとテクノロジに関する将来の意思決定をどう考え、どう準備し、どう舵取りすべきかを提案するものである。

 従って、いわゆるパリ、ニューヨークといった大都市のトラベル・ガイドとは、次の点で異なっている。一般的なトラベル・ガイドは、その都市の観光スポットを魅力的に解説して旅行者の期待感を高め、計画へのヒントを与えてくれる。旅行者はトラベル・ガイドを隅々まで読み込んで、「目的地が旅行者のために何を用意してくれているのか」を知る。

 しかし、この「10年後のデジタル世界」へのトラベル・ガイドは、通常のトラベル・ガイドとは明らかに違い、「目的地である未来に何があるかは概して未知数である」としている。デジタルな未来を舵取りするための計画を立てることはできるが、これはよくある旅行ではない。実際、このトラベル・ガイドでは「10年後のデジタル世界」を単なる旅の目的地としてではなく、この地を体験して最終的にはそこに住みつく全く新しい場所として扱っている。

「10年後のデジタル世界」の魅力

141009gartner1.jpg 図1:ボーディング・ボード

 「10年後のデジタル世界」への旅行計画を立て、出発し、探索を始めると、「地下墓所のようなコスト・カット」「曲がりくねった道のようなプロセス効率化」「万里の長城のようなIT集約」などの目的地とは、どこか違うことに気付くだろう(図1)。

 1990年代後半の目的地である「Eコマース」以来の新たな技術革新の波が、この驚きと感動に満ちた「10年後のデジタル世界」という地を輝かせている。ここでは、指数関数的な技術成長や新たな価値源泉の探求が常識となっている。また、破壊的イノベーションによって常にエネルギーに満ち溢れているため、住民は退屈な定型作業をすることがほとんどない。

 「10年後のデジタル世界」においてテクノロジはついにバックオフィスから企業の中心へと移行し、この地で可能性を探索したいとする住民の冒険心を掻き立てている。この地を訪れる理由は他にもある。多くの来訪者は名称について尋ねる。他の目的地の名称には独自のテクノロジ要素が含まれるのになぜ、「10年後のデジタル世界」と呼ぶようになったのかと。

 この地の住民は次のように即答する。他の目的地とは違い、ここではデジタル・テクノロジが最前線に立って、個人と個人のやり取り、消費者と提供者のやり取り、企業とパートナー/サプライヤーのやり取りの中で新たなる価値源泉を見つけている。過去の目的地では、ビジネス・プロセスやデリバリ・チャネルの「デジタイゼーション」にフォーカスされていた。ここでは「デジタライゼーション」、つまりデジタル・テクノロジを生かしたビジネスモデルの変革や新たなる価値機会の創造にフォーカスされている。

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